Friendly Skiesでお馴染みのユナイテッド航空。1970年代以来、四半世紀にわたって使用されてきた同社のご長寿キャッチコピーも、21世紀に入ると”We are United” “Rising” “It’s time to fly”などに置き換えられ、過去の物となったかに思われました。
しかし、コンチネンタル航空との合併後にまさかの復活。”Great Big World is Friendly”という、いかにもアメリカらしいマッチョなテイストで戻ってきたフレンドリー!しかし、そんなキャッチコピーと裏腹に、米国のビッグ3で最も顧客満足度が低いユナイテッド航空。デルタやアメリカンが経営基盤の強化と並行してプロダクト&サービスを充実させている一方、どうも迷走している感が否めません。
今回は、ANAの特典航空券利用ということもあり、東京〜ソウル間の移動ではユナイテッドをチョイスしました。2016年5月から成田シンガポール線も運休となるため、以降はこの路線が唯一の成田〜アジア以遠権路線となります。この路線に関しても、しれっとカットされる可能性がありますから、乗れるうちに乗っておこう!という趣向です。
総括
・久しぶりに乗ったユナイテッドでしたが、なかなか楽しめたフライト
・基本的なサービススタンスはサラサラーっとした感じ
・でも、随所にオモシロ系社員が存在。
・ソウル線は旧コンチネンタルミクロネシア機材&クルー。UAの人は乗っていない。
・毎回これに乗るかと言われると???ですが、たまにお口直し的に乗ると意外な良さを発見できるかも?
空港到着〜チェックイン
当日は、ニューオータニで飛行機好きなDr.3名とパワーランチの予定が入っており。ディープなお話を楽しんだ後、そのままリムジンバスで成田空港1タミのカーブサイドに横付けです。赤坂を出てからちょうど1時間で到着。
出稼ぎアイテムを詰め込んだスーツケースをクロネコカウンターで受け取り、UAのプレミアアクセスカウンターへ。スターアライアンス加盟会社のエコノミーに乗る機会は極めて限定的なのですが、備えあれば憂い無し。以前ステイタスマッチで獲得しておいたAvianca BrazilのAmigo Gold(Star Alliance Gold相当)が、こういうときこそ役立ちます。
チェックイン担当者は、日本人風な風貌であるものの、濃厚にアメリカの香りが漂うナイスミドルな女性。案の定、目が合った瞬間にいきなり英語で話しかけられました。この人、実は日本語話者じゃないのかな?!と思い、とりあえず英語でやりとりしていましたが、パスポートを手渡すや、即座に日本語に切替え。その後は何事もなかったかのように、日本人客として扱ってくれました。
以後の詳細なやり取りは省きますが、手早く仕事を進めながらもフレンドリーで、短時間に顧客と良質なラポールを作れる、優秀な地上係員でした。贔屓目無しに、直近1年間でのBest Check-in Experienceであったように思います。こういった、天性のホスピタリティを持つ人がノビノビ仕事をできる環境なのでしょう。いい意味で大らかなユナイテッド航空です。
ラウンジ
出発ゲートが41番ということで、手近なユナイテッドクラブへ。かなり久々の訪問です。前回も確かソウル便。あのときはB777-200ERでの運航で、アップセルで安価にファーストクラスに乗った記憶があります。なんというか、隔世の感があります。
ユナイテッドクラブの入口にも、面白い受付係がいました。こちらもキャリアの長そうな中年の女性です。搭乗券をリーダーにスキャンすると
「いつもご利用ありがとうございます。アシアナ・ダイヤモンドのおきゃくさ…」
と、絶句。何かに違和感があったようです。
そう。Avianca Brazilの2レターコードはO6(オーシックス)。元々同社はOcean Airという地場系の航空会社だったそうで、後にAviancaグループ入りしたという経緯があります。日本では殆ど見かけない2レターであるため、アシアナ(OZ)と見間違えてしまったようでした。
「あ、分かりづらくてスミマセン笑。これ、Avianca Brazilという航空会社のStar Alliance Goldなんですが…」とフォローすると
「なるほどなるほど!Aviancaとは、素敵な航空会社でマイルをお貯めなんですね。どうぞお入り下さい、失礼しました!!」と快く招き入れてくれました。Aviancaって素敵なのかな、しかし。
ラウンジの内部は変わらず広々。アメリカ人がイメージする所のJAPANが随所に感じられて、良いラウンジです。さほど混雑してはいませんでしたが、UA地上係員のいるカウンターには長い列が。強風で欠航やダイバートが相次いでいたため、行き場を失った乗客の振替手続きに奮闘していたようです。ソウル行きは小さいB737であるにも関わらずちゃんと降りてきてくれて、幸運に感謝です。
搭乗〜機内
いざ、機内へ。ユナイテッドのB737-800には初めての搭乗で、少しワクワクです。
機内に入ってみると、何のことはない、普通の737。Boeing Sky Interior導入機ではないので、少し古い機体でしょう。ビジネスクラスは2-2、エコノミークラスは3-3アブレストで、紺色のレザー張り座席が整然と並んでいます。質実剛健、米国系航空会社らしいインテリアです。
俗に言う”エコノミーマイナス席”の足元は、なかなか窮屈。私は重心低め、座高高めの日本人体型なので問題なく収まりましたが、長身な人は足がつかえるかもしれません。ぱっと見た限り、エコノミープラスも大差ない模様だったので、チェックイン時にアップセル(USD47の追加)をする程ではないと思われます。なお、シートピッチは小さいものの、座り心地はモチっとしていて悪くない感じ。好きですよ、こういう座席。
定刻よりもかなり早くドアクローズしたにもかかわらず、40分近くプッシュバック許可が出ず、ディレイ。強烈な横風に煽られまくりながら離陸します。
機内サービス
離陸後、ソウル線伝統のツナサンドと飲み物が振る舞われます。
このツナサンド、もう何年も同じメニューな気がしますが、意外と美味しいのです。下手なホットミールを提供して炎上するよりは、こういう割り切ったサンドイッチも悪くないと思います。量が少ないようにも思いますが、一段落するとFAがお盆に余り物を載っけて徘徊してくれます。飢餓状態にあるひとでも、三個も食べればお腹いっぱいになることでしょう。
搭乗した便のFAはミクロネシア系米国人3名、日本人1名、韓国人1名というチーム。韓国人CAは20代前半に見えたので、新しく採用されたのだと推測されます。周囲を見渡すと、乗客の95%が韓国人。日本人らしき顔は見当たりません。アナウンスも英語+韓国語で、唯一の日本人FAは少し手持ちぶさたな感じでした。以前はもっと日本人乗客率高かったと思うのですが…
サンドイッチの残骸を回収し、機内サービスはサラッと終了。この時点でまだ松江沖あたりです。
ソウル到着
そのまま暗い機内でぽちぽちテキストを打ち、気づいたらもう最終の着陸態勢。出発時のディレイをそのまま引きずり、30分延で柔らかにタッチダウンしました。
サテライトに到着すると、あのピープルムーバーに乗るのが面倒ですが、イミグレと荷物受け取りは至極スムーズ。到着ロビーでレンタルWi-Fiを調達しても、30分とかからずに空港バス乗り場までやってくることが出来ました。
今回の宿泊はソウル駅近くのフォーポイント・バイ・シェラトン南山。6001番リムジンバスがホテル目の前の停留所を経由するので、これで向かうことにします。こちらの宿泊記は、また別記事にて。