天下のシンガポール航空が、エコノミークラスからプレミアムエコノミークラスへの有償アップグレードを募る「mySQupgrade」というシステムの運用を始めました。
シンガポール航空のマイレージプログラム Krisflyer会員宛てに、上記のような案内メールが送信されていますので、もう既にご存じの方も多いかもしれません。
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mySQupgradeの概要
・有償アップグレードの対象はエコノミー→プレミアムエコノミーのみ
・出発7日前に、対象者にはメールで連絡あり
・オファーメールのリンクから専用ページに飛び、支払い金額の上限を入札
・出発50時間前までは、入札内容の変更・キャンセルが可能
・アップグレードが確定した場合は出発48時間前にメールにて通知。この時点で課金される
との内容です。
お隣の国のフラッグキャリアのMHupgradeと酷似していますね。恐らく、全く同じベンダーからシステムを購入したのでしょう。先日ご紹介したIHGとHiltonのMy Custom Upgradeも同じような感じで、今後このような事例が増えていくことが予想されます。
どのくらいの金額なら、入札する価値あり?
といっても、まだ情報がありませんので、エコノミーとプレミアムエコノミーの公示運賃の差額を見てみましょう。日本発の人気路線、成田ロサンゼルス線で調べてみました。
売れ筋だと思われるエコノミーHクラスと、プレミアムエコノミー最安値のPクラスの料金差は片道あたり32,500円。
となると、実質的な入札上限は片道当たり25,000円くらい?でしょうか。
以前、ユナイテッド航空のエコノミープラスが西海岸行きだとUSD90アップくらいで売られていた記憶があります。ユナイテッドのエコノミープラスはシート&サービスはエコノミーと全く同じ。シートピッチだけが異なります。
一方、シンガポール航空のプレミアムエコノミーはシートそのものが大きく異なりますし、アップグレードされた食事やシャンパンのサーブといったベネフィットもあります。となると、これぐらいならば払っても良いかな?と思ったり。しっかり眠りたい東行きだけ購入するというのもありかもしれません。
まとめ
mhupgradeやOptiontownのような仕組みは今後どんどん拡大していくのだろうなと思っていたのですが、まさかここでシンガポール航空が乗っかってくるとは。「うちは安売りしませんから」というイメージが強いだけに少々驚きでした。
これは憶測ですが、昨年満を持して投入したプレミアムエコノミーの成績が芳しくないのではないかと考えています。確かに上掲の料金設定をみても値頃感はあまり感じられず。これだけ出すんだったら、もういっちょ奮発してディスカウントビジネス狙うわ、という気持ちになってしまいます。果たして、オークション式有償アップグレードの導入で、巧いことてこ入れできるのでしょうか。
ちなみに、メールの本文を読むと、将来的にはビジネスクラス以上も対象にしようという含みが感じられます。これはひとえにプレミアムキャビンの稼働率次第かと思いますが、世界経済の雲行きは日ごとに不透明さを増しています。
ビジネスクラス版がお目見えする日も意外と遠くないのかもしれません。
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