観光でバンコクを訪れる方にとってクロントゥーイは馴染みのない地名かもしれません。シーロムからラマ4世通りを少し東に走ったところにあるクロントゥーイはバンコク都心から最も近いディープな下町。今日はそんなクロントゥーイにある、美味しいパッタイを供する店をご紹介します。
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パヤータイ通りから47番赤バスでクロントゥーイへ
今週からバンコク市内の某大学でタイ語を学習しています。授業は午前中だけなので、たっぷり頭を使ってお腹を空かせた状態でクロントゥーイへ向かうことに。アクセスにはパヤータイ通りから乗り換えなしでクロントゥーイを結ぶ47番バスを利用します。
パヤータイ通りはスクンヴィットのような猥雑さがなく、バンコクの主要な通りの中でもお気に入りな通りの一つです。
47番バスは赤バスでの運転で、運賃はどこまで乗っても6.5バーツ(6バーツ50サターン、日本円換算で約20円)なんともお財布にやさしい乗り物です。ぴったりのコインを手にして到着を待ちます。
バンコクの三菱ふそうエアロスターK、RP118がやってきた
ほんの2-3分でお目当ての47番がやってきました。手を挙げて合図をすると、適当な所に停車するので、小走りに乗り込みましょう。
今回乗車した車両は三菱ふそうのRP118。日本製のシャーシにタイ現地製作の「エアロスターK風ボディ」を架装した、日本人には馴染み深いデザインの車です。日本の大都市圏ではこのタイプのバスが見られなくなって久しいですが、バンコクではバリバリの現役。車齢25年Overの車ばかりですが、黒煙を噴き上げながらブイブイ走る姿は頼もしい限りです。
たまたまやってきたこの便は、都が低所得者対策で運行している運賃無料バス。フロントガラスと乗車口上の青帯が目印になっています。従って、乗務しているオバタイ(車掌)に料金を支払う必要はありません。無料バスに関しては、車掌無しのワンマン運行となっている事が殆どなのですが、この便は珍しくオバタイ付きでした。何やら手元の紙に細々と記入していたので、乗客の利用動向をチェックしていたのかも。
エアロスターKベースといっても、当時のタイの重工技術で似たものをこしらえましたという代物なので、外板も内部もリベット剥き出し。かなりゴツい作りになっていますが、実用一点張りのデザインには一種の美学さえ感じられます。
なお、この赤バスにはエアコンなどというラグジュアリーな装備はありません。運転席上に小さな扇風機が特権的に取り付けられているだけで、あとは窓全開で自然に任せるスタイル。渋滞しているときはしんどいですが、走り出してしまえば意外と涼しいものです。
昼下がりのラマ4世通りを快走し、クロントゥーイへ
地下鉄Sam-yan駅付近までは渋滞していましたが、左折してラマ4世通りに入ると一転、快調に走り始めます。ラマ4世通りは要所要所で高架道路が整備されていることも貢献しているのか、スクンヴィットやペッブリー通りに比べてラッシュ時でも比較的流れているような感じがします。
RP118は225馬力という(バンコクの路線バスとしては)高出力なエンジンを搭載していますから、幹線道路でも周囲の交通にスムーズに乗ることができます。同時期に導入された日野AKとはえらい違いです。
地下鉄ルンピニー駅付近を通過するとオフィスビルの切れ目が増え始め、だんだん下町の雰囲気が漂ってきます。
高速道路の高架をくぐり、貨物線の踏切を越えるといよいよクロントゥーイエリアに入ります。ちなみに、この貨物線、廃線めいた外見ではありますが、意外と運行頻度が高かったり。クロントゥーイ港に揚がったコンテナを積み替え、ターミナルまで輸送する貨物列車が通るのですが、バンコクの大動脈であるスクンヴィット通りやラマ4世通りと平面交差しているのが、またタチが悪い笑 微動だにしない渋滞に巻き込まれたと思ったら、この貨物線が原因だったということもままあったりします。
クロントゥーイ市場停留所で下車し、「パッタイ・メー・アム」へ
「パッタイ・メー・アム」の目の前にもバス停が存在するのですが、今回乗車した47番や13番など、クロントゥーイ市場の三叉路を右折する路線は停車しません。(Google Mapだと止まる事になっているのですが…Googleの路線バス情報はメチャクチャなので信用に値しません)なので、一つ先のクロントゥーイ市場で下車して、一停留所分徒歩で戻ることにします。
ラマ四世通り沿いをほてほて歩いて、最初の歩道橋を反対側に渡ると、すぐに「パッタイ・メー・アム」が現れます。
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下町の名店 「パッタイ・メー・アム」シーフードパッタイ(60バーツ)
この「パッタイ・メー・アム」、もともとは東南アジアの狂犬ブロガーNemoPオススメの店でして、彼と一緒に訪問したのが最初でした。彼はお絵かきに、習字にと忙しいようなので、私が勝手に紹介してしまいましょう。
店舗の外観はこんな感じ。下町の長屋に入居している店ですので、超庶民的な外観。ぼーっとしていると通り過ぎてしまいそうですが、麺のブースの脇にスイーツを売る台も出ているのが目印です。
入口の半屋外調理ブースで、この道うん十年とおぼしきオバタイがパッタイを炒めています。
覗いてみると、火力の源泉はガスではなく炭火。相当暑いと思うのですが、扇風機も使わず涼しい顔で、ひょうひょうとパッタイを炒めているのが印象的です。
店名の「パッタイ・メー・アム」は直訳すれば「アムお母さんのパッタイ」。このオバタイがアムお母さんなのでしょうか。今度、暇そうなときに訊いてみよう。
客席はこんな具合。ガチガチのローカル食堂ですね。昼食ラッシュの直後なので、片付けが追いついていません。アムお母さん+オバタイ2名という小所帯でオペレーションしていますので、仕方がないところでしょう。
メニュー。英語表記なしなので細かい所はよく分かりませんが、ノーマルのパッタイは40バーツ、シーフード入りが60バーツです。世の中的なパッタイより若干高い気もしますが、値段なりの価値はあるかと。
5分もしないうちに炭火で炒められたパッタイが運ばれてきました。トッピングの生野菜はお好みで。ライムを搾ると爽やかな風味になるので、個人的にはこれはマストだと思います。あと、卓上のナンプラーを数滴振りかけるのもありかな。
うっすらピンク色をまとった麺のくにゅくにゅとしたコシが素晴らしく、甘めのソースもよくまとまっています。パッタイそのものはどこでも食べられるメニューですが、このパッタイは間違いなく特A品。わざわざ食べに行く価値ありだと思います。量は少なめなので、しっかり食べたい人は二人前注文しましょう笑
ふー、食った食ったとくつろいでいると、ちょうど完成したカボチャプリンが運ばれてきました。なんとも美味そうだったので「そのデザートもおくれー!」と注文。こちらも甘さ控えめかつカボチャの風味がしっかり活かされており、美味でした。激甘タイスイーツに辟易している方も是非に。
まとめ
下町クロントゥーイの名店「パッタイ・メー・アム」の紹介でした。観光地的なエリアからはちょっと離れていますが、足を伸ばして食べに行くのも十分アリな美味い店だと思います。
今回はバスでアクセスしましたが、地下鉄クロントゥーイ駅からも徒歩5分くらいです。どちらかというとこちらが一般的なアクセス方法でしょう笑
ただ、スクンヴィットやシーロムから近代的な地下鉄で一気にワープするよりも、原始的な路線バスで街並みの変化を眺めながらアプローチした方が楽しめる店のような気がします。
今回の47番の他に、セントラルワールド前を走る13番でもアクセス可能ですので、是非路線バスで足を運んでみてはいかがでしょうか。
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