海外旅行の際に悩みの種となるのが、現地でのSIMカードの調達。ひとつの国でまとまった日数を過ごすのならばよいのですが、複数カ国を周遊する場合は途端に面倒なことになってきます。
プリペイドSIMの普及しているタイでは、格安の海外ローミングSIMが販売されています。このローミングSIMは利用期間中なら、複数の国を回る旅程であっても、追加料金なしで利用可能。料金設定そのものも低廉で、なかなかの優れものです。
以前から気になってはいたのですが、ようやく購入&試用する機会が訪れました。早速レポートします。
このSIMを実際に使用してみた体験記はこちら↓
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タイ大手携帯キャリアAISが販売する海外ローミングSIM “SIM-2-Fly”
AISは国内シェア45%(2015年現在)を占める、タイのトップ携帯電話キャリア。タイを訪問された際、緑色のプリペイドSIMを購入された経験のある方も多いのではないでしょうか。
同社により、タイ発の海外旅行客向けに販売されている海外ローミング専用SIMが”SIM-2-Fly”です。
タイだけでなく、東南アジアの人々は日本人以上にスマホ中毒。マーライオンや雷門の前でキメ顔セルフィーを撮影し、FacebookやInstagramにアップする事は何にも優先して大切なことだといえましょう(むしろ、そのために旅行してるんじゃ…とすら思えたり)
そんな彼らの貪欲なニーズに応える商品がこの”SIM-2-Fly”。高くて使いづらいSIMでは、この層の顧客には購入してもらえませんから、非常によく考えられた商品設計になっています。結果として、我々非タイ人にとっても魅力的な商品に仕上がっている次第。スゴいぞAIS!
SIM-2-Fly 【399THB版】 アジア12カ国で最高3GBまで 8日間通信可能
今回購入・試用したのはこちらのタイプ。SIMをアクティベートしてから連続8日間、最高3GBまで3G/4Gデータ通信が行えるSIMです。対応国はASEAN各国を中心とした12カ国(下図参照)となっています。
タイ人が観光で訪れることの多い国は概ね網羅されています。特に、韓国、ラオス、インド、フィリピン、カンボジア、ミャンマーなど、プリペイドSIMが高価だったり、購入手続きが面倒な国も含まれているのが嬉しいですね。
販売価格は399バーツぽっきり。本日のレートで1,300円弱といったところでしょうか。なお、参考までに、我が国のトップ携帯キャリア様であるNTTドコモが展開する「海外パケ・ホーダイ」は、通信容量24.4MBまで1,980円/日、上限無しの場合は2,980円/日。一日あたり6GB以上通信するような極度のネットジャンキーでないかぎり、AISのSIM-2-Flyの方が著しく割安です。
SIM-2-Fly 【899THB版】 欧米を中心とした世界24カ国で最高3GBまで 15日間通信可能
SIM-2-Flyの利用可能国はアジア圏に留まりません。欧米を中心とした各国で15日間利用可能なタイプも併売されています。こちらも通信上限は期間通算で3GB。
米国、英国、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、オーストリア、オランダなど、日本人の海外旅行先としても人気の国は概ね網羅されている印象です。
(2016.12.12追記:記事公開当初は12.の香港までしかリストを掲載していませんでしたが、スクロールすると隠れていた12カ国が追加で表示されました。コメントを下さったyusuke_tribeさん、ありがとうございました。)
販売価格は899バーツぽっきり。本日のレートをつかって日本円換算すると、2,900円弱になります。アジアと比べて物価水準が高いこれらの国々では、当然の事ながら通信料も相対的に高額になります。そんな中、アジア版の2倍強という価格設定は至極良心的であるように感じられます。
先日米国に行った際に購入したSIMは、1週間有効1.5GBでUSD39だったと記憶しています。周遊旅程の場合は複数枚のSIMを購入する必要がある場合もしばしばですから、所要コストはより一層高額となることでしょう。
とはいうものの、1日200MBの容量では、使い方次第では途中で弾切れになる可能性も。動画の視聴は控える等、セーブした使い方が求められそうです。
AISの格安ローミングSIM SIM-2-Fly の販売場所
SIM-2-Flyは通常のプリペイドSIMと異なり、販売箇所が限定されています。公式サイトによると
・AISオンラインストア
・タイ国内のAISショップ
・スワンナプーム空港2階のAISショップ
・ドンムアン空港1階のAISショップ
において販売が行われているとのこと。旅行でタイを訪れた際に難なく購入できる体制が整えられているように見受けられます。小さな店舗だと「東南アジアあるある」の在庫切れに遭遇したり、スタッフが英語での対応に不慣れな可能性もありますので、都心の大型店で購入するか、空港の店舗に足を運ぶのが良いでしょう。
なお、AISのプリペイドSIMを既に保有している方は、このプラン単体を購入する事も可能なようです。
プラン料金は、SIM-2-Flyの販売金額からSIM代金50THBを引いた金額。私はTrueユーザーなので新しくSIMを購入してしまいましたが、タイ購入時にAIS SIMを買ったよ!という方は、それを利用するのが良いでしょう。(この場合、SIMそのものの有効期限切れと、チャージ金額不足にはくれぐれもご注意を!)
AISの格安ローミングSIM SIM-2-Fly を実際に購入してみた!
まず学校帰りに足を運んでみたのは、MBKセンター。あやしいバッタモノや扇情的かつ独創的なTシャツが販売されているため、観光客にも人気のショッピングモールです。
MBKの4階に密集するのが、個人経営の携帯電話屋。その中でもAISべったり感のある店舗で「SIM-2-Fly売ってる?」と訊いてみるも、見事撃沈。他の数店舗でも試みてみたものの、異口同音に「空港の店でしか売っていない」という回答でした。表向き直販しかしていないといいながら、実はちゃっかり横流しされている!というタイらしい展開を期待していたのですが、意外にきっちりしていました(笑)
MBKで購入するのは諦め、少し歩いてサイアム駅直結のサイアム・パラゴンの4FにあるAIS直営ショップへと向かうことにします。
バンコクでも屈指のハイエンドショッピングモールであるサイアム・パラゴンにも香港航空の広告が。最近この航空会社も広告露出が増えています。タイ市場を重視しているのでしょう。割引ビジネスクラス料金がなかなか魅力的です。
このAISショップは間接照明を巧く使い、高級感のある空間が広がっています。フラッグシップ的な位置付けと推測されます。
入口に立つ係員に「SIM-2-Flyを購入しにきた」旨を伝えると、心得た顔ですぐに整理券を発行してくれました。レザー張りのソファでくつろぎながらしばし待つことにします。待合エリアの端っこの方にはAISロゴ入りの飲料水が冷やしてあったり、なかなかのサービスが展開されています。
待つこと約5分で自分の番がやってきました。
「SIM-2-Flyの399THB版を1枚!」と告げると、英語堪能なお姉さんがテキパキと仕事を進めていきます。外国人が購入する場合は、パスポートの提示が必須。記載事項を細かくシステムに入力・登録していました。このプロセスがあるため、直営店でのみの販売となるのでしょうか。
手続き自体はものの10分のうちに終了。「SIMをアクティベートしてしまうと、その時点から8日間のカウントが始まってしまうので、くれぐれも旅行を開始してからアクティベートしてね!」との注意を受け、晴れて格安ローミングSIMをゲットと相成ったのでした。
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AISの格安ローミングSIM “SIM-2-Fly” まとめ
タイ在住者に限らず、とても魅力的な格安海外ローミングSIM、”SIM-2-Fly”。購入場所が限られているのが少々面倒ですが、一手間かかることを考慮しても余りある値打ち感のある商品であるように思えます。
なお、AISの英語堪能お姉さんに質問したところ、リチャージすれば1枚のSIMを再利用することも可能とのこと。有効期限切れにさえ気をつければ、購入の手間も最小化できそうです。
このSIMを実際に使用してみた体験記はこちら↓
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