今回のソウルでのお宿は、お手頃価格かつ空港へのアクセス良好な外資系ホテルということで Fourpoints By Sheraton Namsan(フォーポインツ・バイ・シェラトン南山)。新規オープンホテルで、情報が少なく、SPG.comのレビュー評価も今ひとつなので、少しドキドキの滞在でした。
総評(★★★★☆)
この「フォーポインツ・バイ・シェラトン南山ホテル」立地・ハード良好、ソフトもまずまずと、良い意味で期待を裏切るホテルでした。
手頃な料金(一泊13,000円前後)を考慮すると、ソウル都心のホテルとしては高いレベルにあると言えましょう。フォーポインツ自体は北米とアジア圏では位置付けの異なるブランドになっていますが、日本のアッパークラスのビジネスホテル(三井ガーデンプレミア、リッチモンドプレミア、ザ・ロイヤルパークイン等々)と同程度のクオリティと考えておけば間違いないかと。
外資系の新しいホテルは漢江の南側、江南地区に立地する事が多いですが、私は雑然とした江北の方が好みです。江北エリアではコストパフォーマンスの高いホテルだと思いますので、再訪は大いにありです。レビュー評価が低いのが不思議ですが、開業後のカオス状態の時に、大量の低評価を食らったのだと推測します。
客室(デラックスルーム 34㎡)(★★★★★)
元々は最安値のSuperior Roomを取っていましたが、SPGプラチナ特典で1ランク上のDeluxe Roomにアップグレードされました。クラブフロアがなく、スイートの設定も殆どないホテルですので、期待できるアップグレードはこの程度でしょう。
30平米台半ばの面積を有する客室だけに、それなりに広々としています。デザインは落ち着いたトーンを基調としたモダン&シンプル。WやAloftのようにチャラチャラした感は皆無ですので、個人的には好印象です。
ベッドはフォーポイント謹製のキングサイズ。系統としてはシェラトンスリーパーベッドと似たような寝心地ですが、気持ち固めかも。リネン類もそれなりに上質なものが使われています。ビジネスホテル+αのブランドとしては十分なクオリティです。
防音も全く問題ありません。私自身、ノイズ・センシティブな方だと自覚していますが、上下左右廊下からの騒音が感じられることは全くありませんでした。
水回り(★★★★☆)
デラックスルームはバスタブ・シャワーブース付き。客室全体の面積に占める割合を考えると、空間の使い方が贅沢です。韓国のひとびとは日々の入浴をシャワーで済ませる傾向があるため、ソウルの中級ホテルでは、バスタブが用意されていない場合も多々あります。そんななか、フルサイズのバスタブでのんびり出来るのはありがたいものです。
シャワーブースはレインシャワーとハンドシャワー両方を備えたごく標準的な仕様です。ただ、若干の作りの甘さが見られます。時間帯によっては湯温が不安定なこと、ドアの防水パッキンが甘いため、外に若干水が漏れることは要改善です。この点については、後ほどサーベイが送られてきたらフィードバックしようと思います。
アメニティはフォーポインツ標準仕様。石鹸とシャンプー類だけはオリジナルのものを使っているようです。一見フランス風ですが、韓国は南揚州市産。バッタもん感満載ですが、問題のない品質でした。なお、トイレも韓国製ウォシュレットです。こちらも普通に動作。
SPGプラチナ特典(★★★☆☆)
・スーペリア→デラックスへのアップグレード
・滞在中毎日の朝食ブッフェ or 250スターポイント
という内容でした。その他のベネフィットは特に存在しないようです。ブランドコンセプトを考慮すると、こんなものでしょう。自分の中では1スターポイント=2.5円程度の価値と考えています。この尺度からすると、無料朝食の方がバリューですので、今回はこちらを選択しました。
システムの調子が悪いと、結局ウェルカムポイントも付いてしまう事もしばしば…というのは、SPGユーザーにはお馴染みです。
朝食(★★☆☆☆)
19階のメインダイニングが朝食会場になっています。
内容は洋・韓折衷のビュッフェ形式。スタッフの数が限られているので、自分で適当に着席、ホットドリンクも自ら取りにいく感じです。
ビュッフェの内容はごくごく平凡。一般的に、韓国の洋食のレベルは今一つだと思っているのですが、その中では健闘している方だと言えるクオリティでした。特にスモークサーモンに関してはしっかりコストをかけたようで、ねっとりとした食感のアトランティックサーモンを入れていました。
一方、韓国料理は悲惨…見た目は大いに結構なのですが、見かけ倒し。偏差値30くらいの味わいでした。ここでは洋食オンリーに留めた方が良さそうです。
フィットネスセンター(★★☆☆☆)
おまけレベルです。有酸素運動とバーベルでのトレーニングができるだけ、と考えるべきでしょう。窓のない閉鎖的な空間なので、あまり長居したい感じではありません。
スタッフ(★★★★☆)
限られた人数で回しているようで、あれこれ世話を焼いてくれる感じは皆無です。しかしながら総じて感じの良いスタッフ達でした。若いスタッフばかりですので、英語のレベルも問題ありません。
日本語に関しては…試していないので不明です。ただ、韓国のホテルの場合、日本語を話せる(つもりも含めて)のスタッフは、こちらが日本人とわかるとガンガン日本語で攻めてきます。そこから考えるに、日本語はあまり得意でないのでしょう。
アクセス(★★★★★)
KORAIL・ソウルメトロ・空港鉄道ソウル駅から至近かつ、目の前の路上に空港バスの停車するバス停があります。ホテルB2階にエレベーターで降り、地下通路を歩くことでソウル駅に至ります。一番近いのはソウルメトロ4号線の改札、次が1号線です。
仁川空港から到着の場合は、空港鉄道よりも6001番(約20分間隔で運行。KRW15,000)のリムジンバスをお勧めします。空港鉄道の駅はソウル駅の西側地下にあるので、ホテルとの位置関係だとちょうど反対側です。身軽な状態でもたっぷり徒歩15-20分はかかると見た方がよいでしょう。空港鉄道駅までの道のりは全てバリアフリー化されていますが、それでも荷物が多い場合は少し大変です。
なお、フォーポインツ側の改札はソウルメトロの管轄なので、空港鉄道の乗車券を販売する窓口がありません。T-moneyを持っている方はそのまま改札を通れますが、これを持っていないと少々問題が。係員もいないので唖然としそうですが、1回用乗車券販売機で空港鉄道の乗車券も購入できます。駅名選択で「仁川国際空港(Incheon International Airport)」を探し、人数分発券すればOKです。
周辺環境(★★★★☆)
再開発されたインテリジェントビル群の中に立地していますが、一歩裏手に出ると、飾らない庶民の街が広がります。食事には事欠かない立地です。
韓国料理はちょっと小汚いくらいの店の方がうまいものを出してきます。観光客ずれしていない韓国人は、普段着の空間に突如出現したガイジンに対して優しく接してくれます。アジア慣れしている方ならば、明洞や南大門市場に足を伸ばさず、近場で夕食を済ますというのもありかと思います。なお、敷地内にコンビニがありますので、そこで軽食を購入する事も可能です。
新しいホテルですので、タクシー運転手への認知度は高くないでしょう。チェックイン時にホテルの所在地を書いたカードが手渡されます。これを見せれば、間違いありません。
ちなみに、フォーポインツ・バイ・シェラトンのハングル表記をカタカナ読みすると「ポッポインチュ・バイ・シェラトゥン」になります。ハングル文字は自称「多様な音を忠実に再現できる文字」らしいですが、この場合は例外なようです。なんとなく可愛いですね、ポッポインチュ〜。
以上、フォーポインツ・バイ・シェラトン南山の宿泊記でした。参考になれば幸いです!