タクシーに乗るときのインドネシア語&サバイバルTIPS

「ジャカルタの安心安全なタクシーの選び方」に関する記事への反響が思いの外大きく、驚いています。同記事でも少し触れましたが、ジャカルタのタクシー運転手は基本的に英語を理解しません。

このため、無事に迅速に目的地に到着するためには、シンプルなインドネシア語とGoogle Mapを駆使する必要があります。ここでは、ピンポイントで使える簡単なインドネシア語フレーズと、Google Map上の情報を如何に運転手に伝えるかのTIPSをご紹介します。

Blue Bird

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①乗車時のインドネシア語

乗車時には、まずは挨拶必須です。
日本や東アジアのように、無言で乗り込んで「○○まで。」と行き先を言い放つのは宜しくありません。インドネシア人にとっての至上価値は「Selamat(安寧)」な空気・状況を保ち続けること。(その割には、私の心の安寧をしょっちゅう木っ端微塵にしてくれますが、気のせいでしょうか)例えお客であっても、まずは運転手に対しリスペクトを示すべく挨拶から入りましょう。

・朝:Pagi Pak!! (パギィ パッ!)
・昼:Siang Pak!! (シアン パッ!)
・午後〜夕方:Sore Pak!! (ソーレ パッ!)
・夜間:Malam Pak!! (マラm パッ!)

基本的な挨拶に、ある程度年配の男性に対する敬称Pakを付ければOK。発音も簡単なので、イージーな言語ですね〜。見るからに若いお兄ちゃんの場合はMas(マス)でもいいかもしれませんが、基本はPakで統一すれば十分です。

②行き先を伝える(基本編)


・Tolong ke 目的地 Pak (トロン ク 目的地 パッ)

例)グランドインドネシアまでお願いします。
・Tolong ke Grand Indonesia Pak

これ一本で問題ないはずです。総じて日本人は声が小さいので、大きな声でしっかりと発音しましょう。このとき、自信ありげに頷いて車を発進させる運転手は大丈夫です。返事の有無に関係なく目的地を正しく理解しています。

一方、「OKOK sir」とかいいながら慌てて車を出す輩は98%分かっていません。大体、焦って目が少々うつろです。怪しげな知識をもとに行き当たりばったりで目的地に向かおうとしているので、GoogleMapにて、要監視対象です。

日本人とは「ウソ」の定義と運用が大きく違いますので、彼らの発する言葉をそのまま丸呑みするのは危険です。言葉よりも表情や造作を観察し、本心を読み解く力が必要とされます。こういう運転手はブルーバードにも新人中心に多数います。

 

③行き先を伝える(応用編)

taxi tips - 1 (1)渋滞の激しいジャカルタ。地図上の最短ルートをとると大渋滞に巻き込まれ、却って時間がかかってしまう事も非常にしばしばあります。

文明の利器Google Mapを駆使する我々と、過去の経験則から判断する運転手。どちらが渋滞の中での情報強者であるかと言えば、圧倒的に我々です。基本的にいつも道路は渋滞していますが、身動きの取れないような大渋滞は突発的な要因(要人の往来による道路封鎖、局所的な洪水、故障車、トホホな事故など)によって引き起こされます。運転手は、たまたま直前にその脇を通過したということがない限り、突発要因に関しては十分な情報を持っていません。ここは乗客側がフォローしなければならないのです。

このような事情から、経由地を予め指定したいときに使えるのが下記のフレーズです。

・Lewat 経由地 Pak (レワッ 経由地 Pak)
例)Slipi経由でお願いします。
・Lewat Slipi Pak

これを言うと、「いやいやSemanggi通ってった方が近いんじゃあるめーか」的な返しがありますが、そういうときは気にせず魔法の呪文を一言

Macet!! (マーチェッ!)

渋滞を意味するこの単語を叫びつつ、GoogleMapをヒラヒラさせれば、大抵の運転手は意図を理解してくれることでしょう。

④方向を指示する

要所要所で進む方向を指示する必要がでてきます。これについては、上下左右+α、それぞれ下記のような感じで対応可能です。

・左に曲がりたい時:Belok Kiri (ベロッ キリ)
・右に曲がりたい時:Belok Kanang(ベロッ カナン)
・上に行きたいとき(高架道路など):Ke atas (ク アタス)
・下に行きたいとき(地下道など):Ke bawah(ク バワッ)

なお、ジャカルタの道路は一方通行の道路を除き、基本的に右折ができない構造になっています。従って、右に曲がりたいときは当該箇所をオーバーランしたうえで、至近のUターンポイントで転回し、戻ってくる必要があります。このようなときに使えるのが

・Uターンして!:Putar Balik (プータル バリッ)

Uターンポイントを指さしながら上記のフレーズを叫べば、自在にタクシーをコントロール出来るでしょう。Uターンという表現は認知度あまり高くないです。

⑤GoogleMapの使い方

目的地の地図をハイ!と運転手に渡しても、理解してもらえるのはレアケース…というか、多分無理です。バリバリスマホ世代の若手なら多少はマシですが、地図を読むための基礎知識が欠如しているので、正しく読めているかはかなり怪しい所。

Googlemap

我々は地理的な広がりを、地図をベースに面的に捉えています。一方、彼らは過去の経験値である線状のデータをひたすら蓄積する形で理解しているように見受けられます。

ピンポイントで行き先が分かってもらえなかったときは、目的地近くの有名そうな大通りと、その住所が属する市を組み合わせて伝えるのが効果的です。

例えば、都心にあるMercure Jakarta Sabangが理解してもらえなかったとき。このホテルに一番近い大通りはJl. Medan Merdeka Selatan、所在地はJakarta Pusat(中央ジャカルタ)市です。この時、伝え方は下記のようにあります。

・hotel yang ada di Jl. Medan Merdeka Selatan, Jakarta Pusat
(ホテル ヤン アダ ディ ジャラン メダンムルデカスラタン ジャカルタプサッ)

カタカナで書くと最早呪文にしか見えませんが、これで8割方通じるはずです。彼らの行動を観察していると、不慣れな場所に行くときは概ね下記のようなパターンで動くことがわかります。

①通りの名前であたりを付けて、まずはざっくりその場所に向かう
②タムロしているバイクタクシーの運ちゃんや交通整理の兄ちゃんに訊く
③これを目的地に到着するまで繰り返す

ジャカルタの通りは短いと数百m、長くても数km単位で通りの名前が変わります。明治通りや桜田通りが延々続くのとはエラい違いです。従って、通り名さえわかれば、「大体あのあたりのエリア」という見当を付けられるのですね。

一方、似たような地名・通り名が多いのもまた事実。住所の市の部分を情報として加えることで、とんでもないミスリードを防げます。

例えば、南ジャカルタのKebayoranに行きたかったのに、聞き間違えで中央ジャカルタ北部のKemayoranに連れて行かれてしまった!という事案をたまに聞きます。キャッチアップに1時間以上かかるでしょうから、悲劇としかいいようがありません。

随時GoogleMapをチェックしながら、明後日の方向に向かっていないか確認しましょう。

 

⑥最終手段

通り名+市名でも分からない場合は、最終手段。ホテルなり事務所なりに電話を掛け、発信状態にして「テレポン!」という言葉とともに運転手にスマホを押しつけましょう。目的地のインドネシア語話者と話をし、目的地に至る道筋を理解してくれるはずです。

なお、電話番号を示して「ここにかけろー」と運転手に依頼しても、取り合ってくれない事が多いです。タクシー運転手は決して経済的に豊かな人々ではありませんので、電話代は言われずともこちらが負担するのがマナーというものでしょう。

まとめ

以上、タクシー乗車時に役立つシンプルなインドネシア語と、サバイブTIPSでした。関連記事の「ジャカルタの安心安全なタクシーの選び方」も是非ご覧下さい!

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