色々と使い勝手の良いバンコク発券ですが、その中でもポテンシャル高いなと思うのがアメリカン航空の北米行き運賃。
JALとの共同事業が展開されていますから、ルーティングの選択肢が多彩であるうえ、運賃ルールも比較的ゆるめ。ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトル行きなど、北米西海岸各都市行きの運賃をうまく使えば、日本在住の方にとっても美味しい航空券を発券できると思います。
(画像出典: Airliners.net)
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アメリカン航空バンコク発北米行き運賃の研究
お馴染みのExpertflyerでキャリアコードをAAにセットし、適当な日程でバンコク発北米行きの運賃を検索してみましょう。まず手始めに西海岸のシアトル行き。
最安値のNクラスでUSD493++。バンコク発の場合燃油サーチャージが高値のまま据え置きになっているようで、諸税と合わせUSD500弱が上乗せになります。
米国東海岸行きはどうでしょうか。世界の中心(?)であるニューヨークへの運賃を検索してみるとこんな感じです。
最安値運賃はUSD20ドルちょいの値上がり。思いの外大きな差がありません。ただ、ブッキングクラスがQに変わっており、AP14(出発14日前までに発券)の早割条件が付加されています。
これならば東海岸行きの方がおトクじゃないか!という風に思えますが、早とちりは禁物です。西海岸行きと東海岸行きでは、特に日本在住の方にとって重要な、ストップオーバールールに違いがあるのです。
バンコク発北米行きAA運賃 ストップオーバー(途中降機)ルールの比較
最初に取り上げたシアトル行きの運賃のストップオーバールールは上記の通り。プライシングユニット上の都市で、全旅程中2回まで途中降機が可能で、2回目の途中降機にはUSD100の手数料がかかってきます。
つまり、USD100の追加料金を支払いさえすれば、往復東京で途中降機が可能だということです。
一方、ニューヨーク行きの運賃はルールが少々異なります。
こちらは東京、上海、北京、ダラス、ロサンゼルス、シカゴ、ニューヨークと、途中降機可能なゲートウェイ都市が指定されている上、途中降機の上限は1回まで。しかも1回目からTHB3,235(日本円換算9,000円強)の追加料金がかかります。
東海岸行きは西海岸行きと比較して、途中降機に関するルールが厳しくなっていることがわかります。適当に調べた限りでは、ざっくり
シアトル、LAX、サンディエゴなどの西海岸各都市:2回まで(1回目無料,2回目USD100の追加)
ニューヨーク、ボストン、シカゴ、ダラス等の東海岸・中部各都市:1回のみ(1回目USD100の追加)
マイアミなどフロリダ方面:2回まで(1回目無料,2回目USD100の追加)
という設定になっているようです。フロリダ方面も緩い方のルールが適用になっており、距離が稼げて良さそうなのですが、ベース運賃が西海岸よりUSD400くらい高いです。従って単純に費用対効果をみるのであれば、西海岸がベストでしょう。
早速、バンコク発日本経由シアトル行きの航空券を発券してみた
バンコク発日本往復のJALはコミコミ6万円台の日が多く、距離の割に強気な設定。
一方、このアメリカン航空の北米西海岸往復は、総額1000USD前後で発券可能。USD400-500の差で北米往復が付いてくるとなれば、見逃すわけにはいきません。
米国サイトのMultiple City検索を叩いてみると、途中降機やJL運航便を含む旅程も問題なく表示されます。
発券してみた旅程はこんな感じ。
復路が若干混み合っており、Q/Sクラスになっているため、往復Nクラス利用の場合と比較して少し高くなっています。便の組み合わせを調整しさえすれば、総額USD1,000を下回る金額で発券することも可能です。うーん、安い。
【備忘録】アメリカン航空バンコク発運賃を購入する場合の注意点
(画像出典: airlinereporter.com)
米国サイトでの購入が必須
→理由は不明ですが、アメリカン航空の日本サイトではこの割安の運賃が表示されません。このため、地域設定を米国にして予約購入することが必須になります。また、発券後の予約確認も、日本のサイトからはできません。都度、Record Locaterを米国サイトで入力し、あれこれする必要があります。
日本円建て/電話決済が必要
→米国サイトで発券しようとすると、クレジットカードの請求先住所について「米国」しか選択することができず、厄介なことになってしまいます。
AAに電話して確認した所、「日本発券のクレジットカードで購入したい場合は、ドル決済不可。日本円建てに換算しての請求となる」とのこと。大きく損をするわけではありませんが、なんとなく腑に落ちません。また、オンライン発券ができないので、電話発券手数料USD25もちゃっかり取られました。ぬぬぬ。
N/QクラスのJAL運航便は事前座席指定不可能
→激安ブッキングクラスの場合、JAL運航のAA4桁便では座席指定がかけられないそうです。AAのオペレーターによると往路のNクラスはNG、復路のSクラスは通路側・窓側の属性指定が可能とのこと
JAL運航便であってもオンラインチェックインはAAのwebサイトから可能
→オンラインチェックインがOPENになったタイミングでAAの予約確認ページにアクセスすると、JALのオンラインチェックイン画面に遷移するボタンが表示されます。
これをクリックすると、JALのサイトにリダイレクトされて、JALオリジナル便に搭乗するときと同じようにオンラインチェックインができるようになります。
このとき、復路に関しても座席指定が可能になりますので、属性指定の結果イマイチな席がアサインされていたら、ここで修正しておきましょう。
チェックイン結果を見ると、元々予約したAA4桁便名ではなく、JL便としてチェックインが完了しています。どこか危なっかしい感じですが、BAECの加算結果を見ると、ちゃんと元々のAA便名で処理されていました。
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アメリカン航空 バンコク発航空券 活用イメージ
★実質的にJALの航空券として利用する
アメリカン航空とJALは共同事業を行っていますから、AA.comで検索をかけるとJAL運航便もAA運航便と並んで表示されます。便選択を調整すればバンコク=東京=北米の全区間をJL運航便で揃えることも容易です。
また、2016年10月以降出発の運賃は、途中降機2回可能かつ有効期間が12ヶ月と長くなっているので、往復東京で途中降機してやれば面白い使い方ができそうです。
例えば、毎年バンコクと米国のディズニーランドに1回ずつ行くぞ!というファミリーにとっては、非常に使い勝手の良い航空券になるのではないでしょうか。
★Aviosをざっくざっく貯めるぞ!
British Airways Executive Clubの上級会員は、BA/AA/JL便搭乗時にステイタスに応じたボーナスマイルを獲得することができます。ブロンズ会員25%、シルバー会員50%、ゴールド会員100%という料率になっていますが、このボーナスマイル算出時の基準となるのは実際に飛んだ区間の「区間マイル」なのです。
AAのNクラス利用時、BAECに加算した際のベースマイルは区間マイルの25%に過ぎません。しかし、ゴールド会員の場合は更に区間マイルの100%がボーナスとして付きますから、実質125%加算となります。
BAECのシルバー・ゴールド会員にとっては、一度の旅行で25,000Avios以上を獲得することもできる、ナイスな航空券だといえます。
★アメリカン航空のプレミアムエコノミー席に座っちゃおう(期間限定)
(画像出典: こちら)
アメリカン航空利用時、AA上級会員・ワンワールド他社上級会員ならばMain Cabin Extra(シートピッチが35-37インチに拡大されたエコノミークラス前方席)を無料で事前指定できることはよく知られていると思います。
これに加えて、アメリカン航空は2017年からプレミアムエコノミーの導入を予定しています。導入までの準備期間中は、一部の路線でプレミアムエコノミー席が通常のエコノミー席として指定できるようです。
公式WEBサイトの記述によると、無料で指定できるのはAAdvantageのプラチナメンバー以上で、ワンワールド他社会員に関する記述はありません。ただ、なんだかんだで普通のMain Cabin Extraと同じルールが適用されるのでは?と思ったり。
今回の料金で絡められそうなのは2017/02から投入のソウル線でしょうか。
運賃ルール上はソウル経由もOK(オンラインでは表示されません。恐らくBKKICN間がTG/KE/OZ便指定だからでしょう)なので、うまくすれば激安運賃を購入しながらも、太平洋横断区間はPYでのんびり という旅程も組めそうです。
まとめ
今回は、バンコク発券のアメリカン航空の料金について研究してみました。ご覧の通り、なかなか使いでのありそうな高コストパフォーマンスな料金が揃っています。記事中では取り上げませんでしたが、ビジネスクラス(Iクラス)に関しても相場を考えると割安だと思います。
往復日本でのストップが可能な西海岸行きは、日本在住の方にとっては使い勝手良好。
ハイシーズンの北米行きは料金が結構高騰しますので、上記のような料金を用い、早い段階で安いブッキングクラスを仕込むことができれば、割安に北米旅行が楽しめそうです。
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