British Airways Executive Clubユーザーの関心事と言えば、上級会員資格を得るために必要な「BA便4区間搭乗」をどこでどのようにクリアするかというポイント。
「いやいやいや、そもそもBAに頻繁に乗るのがBAECの上級会員でしょ。最低4区間なんてあってないようなもんですよ」と欧州トラベラーの達人に窘められそうですが、現実問題、極東から大英帝国まで出張っていくのは、意外とよっこらせであります。アジア内をどさ回りするのがメインの私も、そのひとりです。
慣れないことをするとき、人は慎重になるものです。どうしても下調べにも力が入ります。
さて、British Airways といえば「燃油が高い!空港税も高い!」ということで名高いですね。足元の原油価格は若干持ち直したとはいうものの、1バレル40USD台の水準をウロチョロしています。
燃油サーチャージの設定と改廃の基準を公開している日系2社のような航空会社では、もはやサーチャージ無しは当たり前のことになりつつあります。しかし、BA.comをいじってみると、最終画面で表示される追加料金が高い、高い…
今回は、極東エリア発BA便のキャビンクラス別運賃、燃油サーチャージ、空港税に関し、出発地別に比較を行い、出発地ごとにどの程度の差異があるのかを検証しました。対象となるのはバンコク、クアラルンプール、シンガポール、北京、香港、ソウル、そして東京の各都市発の旅程です。
燃油サーチャージ、空港税に関してはIta Matrixより、最安値運賃についてはExpertflyer.comから引っ張ってきました。
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出発地別 燃油サーチャージの比較
上の表は各出発地における、クラス別の燃油サーチャージ(往復)の一覧です。依然として多くの出発地からの旅程において、BAは高額な燃油サーチャージを徴収しています。
共同事業を行っている日本航空の水準に合わせた東京発、そして現地政府の意向で高額な燃油サーチャージが認可されない香港に関しては、燃油サーチャージがゼロになっています。Avios利用を始めとする特典航空券で飛びたい場合は、東京・香港発とすると空港税のみの支払いで飛べてしまいますので、積極的に選んでいきたいですね。
比較的良心的な設定なのはソウル発。クラスを問わず一律の設定となっており、日本円換算27,000円強です。
その他の出発地に関しては、エコノミークラスの設定額はほぼ横並びであるものの、プレミアムキャビンに関しては差が出てきます。上乗せ額が比較的小さいのはバンコク発とシンガポール発。一方がっつり載っけられてしまうのは、クアラルンプール発と北京発です。
出発地別 最安運賃+燃油サーチャージ 合計額の比較
では、上で調べた燃油サーチャージにキャビンクラス毎の最安運賃を加えてみましょう。今回は「8/1発8/31帰着という夏休み時期の有効期間1ヶ月以上の運賃」という条件設定で検索しました。極力条件を単純にするためにロンドン単純往復旅程での比較です。基本的には公示運賃ベースですが、例外的にソウル発だけは、韓国発券でお馴染みの世一旅行社から送られてくる、特別料金を用いて算出しています。
俯瞰してみると、日本発券は最安エコノミークラスを除き、非常に割高であることがわかります。円高が加速している今日この頃ですので、夏休みにBA4区間搭乗を巻き取りたい方は、海外発券に走った方がお利口さんであることがわかります。
エコノミークラスのなかでは、バンコク発が頭一つ抜けて安いです。運賃と燃油サーチャージの合計額で53,000円というのはなかなか魅力的なプライスです。Oクラスに空きのある日程を注意深く探す必要がありますが、空きさえあればポチってしまいたくなる料金です。
プレミアムエコノミーに関しても、バンコク発が割安です。ba.comで検索してみるとわかりますが、バンコク発欧州往復の旅程を検索すると、香港経由やクアラルンプール経由の旅程が表示されます。エコノミークラスの場合は追加料金がどどーんと乗ってしまうものの、プレミアムエコノミーならばバンコク=ロンドン間直行便利用とほぼ同額。香港便はA380/77W、クアラルンプール便は789と、バンコク便のB777-200より新しい機材を使っていますので、個人的には経由便上等!という感じです。ティアポイントも余計に貯まりますし…
日本から行きやすい発券地であるソウル発も、日本発より大幅に安い料金で利用可能なことが分かります。ソウル発BAの場合、往復ともに東京経由のルーティング&途中降機が許されていますので、使い勝手も良好です。
ビジネスクラスに関してはどうでしょう。抜群に安いのはソウル発です。ただ、この料金はキャンペーン料金なので、常に設定されているわけではないので注意が必要です。とはいうものの、若干の追加で通年発券可能な料金も存在します。これを利用したとしても、ビジネスクラス安値首位の座は変わりません。
次点はバンコク発。プレミアムエコノミーと同様、こちらも香港クアラルンプール経由Okです。往復で経由地を変えれば、BAの最新鋭機であるA380とB787-9の両方を体験できるので、悪くないかもですね。そんなちょこちょこ経由してる暇ないわい!という方にはSIN発もありだと思います(こちらはダブルデイリーでB777-300ER or A380の選択)
ファーストクラスを有償発券する人はあまり多くないでしょうが…意外なことに香港発が安いです。へーって感じですね。タイミングによってはソウル発のプロモーション料金も出るようです。こちらはより一層安い模様…
出発地別 英国空港税の比較
燃油サーチャージが出発地毎でバラバラの設定になっているのとは対照的に、英国空港税に関してはほぼ一定の範囲に収束します。
エコノミークラスはGBP120台、プレミアムエコノミー以上はGBP200前後です。ポンドが暴落しているので、日本円に直してみると以前より可愛らしい数字になってきます笑
どこか、えげつない現地通貨=GBP換算レートを使用している出発地がないのかとワクワクしていたのですが、残念ながらみなさんまともなレートを使っていました。
まとめ
やはりBAの燃油サーチャージは依然として高い水準にあることがわかりました。経営状態良好なようですが、ここでチャリンチャリン稼いでいるのでしょう。しれっと結構な額を掠め取られてしまいます。
有償発券に関しては、出発地ごとに支払総額が大きく異なります。
エコノミー&プレミアムエコノミー:バンコク発
ビジネスクラス:ソウル・釜山発
が個人的には魅力的ですが、発券地までの往復航空券の手配の塩梅や、それぞれの国に対する印象は人それぞれです。
ただ、日本発券と比較した場合は殆どの場合において割安です。British Airways Executive Clubを攻略中の皆さんは、是非ご一緒に海外発券チャレンジをしてまいりましょう!