名古屋からバンコクの移動にはシンガポール航空のビジネスクラスをセレクト。お盆特別輸送に入っていた、エアバスA380運航便に特典航空券の空きがあったので乗ってみました。
先日のTeppei101雑談配信で「SQの長距離ビジネスシートは微妙だ〜!」とかDisった直後に乗るとは、自分でも節操がないと思います…それはさておき、天下のシンガポール航空が誇るフラッグシップ機材で飛ぶ、リージョナル路線のレポートをお送りします。
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シンガポール航空 SQ671便 名古屋→シンガポール
予約・発券
予約・発券はいつも通りシンガポール航空の公式サイトから。同社のマイレージプログラム “Krisflyer” のセーバー特典で発券します。お盆ラッシュの逆方向ということもあり、割と直前の手配でしたが簡単に席を抑えることができました。
クリスフライヤーの自社特典は、オンラインで予約発券を完了すると所定のマイル数から15%引きになります。この為、名古屋〜シンガポール〜バンコク片道ビジネスクラス特典航空券に必要なマイル数は34,000マイル。搭乗距離を考えると、なかなかお値打ちな水準だと思います。
なお、これまで日本〜タイ間は、一続きの旅程としてクリスフライヤー特典で発券できなかったのですが、今年7月のルール変更により可能となったようです。
シンガポール航空 SQ671便 名古屋→シンガポール
ビジネスクラスチェックイン
さて、毎度おなじみセントレア。会社によってばらつきがありますが、夏休みシーズンということもあって結構ワッショイワッショイしています。奥で写真の奥で大行列を形成していたのは、確かTGだったかな。
サロンケバヤお姉さんが示しているように、利用クラスによってチェックインカウンターの島が異なります。非常に贅沢なスペースの使い方をしていますが、クラスを問わず割と閑散とした状態。後ろに見える大盛況のVエアーとは対照的です。
チェックインエリアには特製のエアバスA380バルーンが飾られています。セントレアには滅多にやってこない機材ですし、この便の利用をした特別航空券を販売していたくらいですから、気合いが入っています。
チェックインはJALに委託しているようで、シンガポール航空の制服を着ているスタッフはマネージャーらしき1名のみ。特に複雑な旅程でもありませんから、スムーズにチェックインは完了します。
セキュリティ
こちらも大行列を覚悟していましたが、非常にスムーズ。セントレアは優先レーンが存在しないため、混雑していると悲劇なのですが、今回は全くの無問題でした。
出国審査も自動化ゲート利用でスムーズにクリアし、ラウンジへと向かいます。
シンガポール航空 SQ671便 名古屋→シンガポール
ビジネスクラスラウンジ
セントレアの泣き所のひとつが、ラウンジのしょぼさ。もう少しどうにかならないものか、といつも思ってしまいます。今回はシンガポール航空利用なので、スターアライアンスのラウンジにお邪魔します。
ラウンジ階に降りるエレベーターには、時間限定で Priority Pass 利用者を締め出す案内文が。そんなにPPカード保持者って多いのかな?と思いながら階下に降りると…
おー、確かにのっけからオーバーキャパシティな雰囲気が漂ってきます。
内部は席を探すのも難しい状況。飲料・食料ともにぱっとしないので、とりあえずは空席に腰掛けるだけにしておきます。前入りで休日移動を強いられているスーツ客から、家族連れ、どこからどう見ても訳ありなカップルまで、多彩な顔ぶれは夏休みシーズンならでは。ラウンジ環境としてはいまいちですが、人間観察の場としては面白いでしょう。
あまり長居していてもしかたがないので、搭乗開始予定時刻の少し前にゲートに着くよう席を立ちます。
シンガポール航空 SQ671便 名古屋→シンガポール 搭乗
この日の搭乗口はピアの先っぽに近い15番。普段見慣れない巨体に、老若男女問わず興味津々です。
チェックインカウンターはガラガラでしたが、搭乗口付近は結構な混雑。A380の収容力を感じる瞬間です。周囲を見渡すと、乗客の殆どが日本人。普段のSQ便とはちょっと様子が異なります。
ゲートの脇では、お子様イベント的なものも開催されています。SQの制服を着て、セントレアの着ぐるみと記念撮影。これはよい夏休みの思い出になることでしょう。
ほどなく搭乗が開始されたので、早速機内へ。ファースト・ビジネス・PPSから始まるボーディングシーケンスはSQならではです。これには賛否それぞれあると思いますが、会社としての明確な哲学を感じる部分でもあります。
また、遠くには東側の巨人機、An-124が沖止めされています。どこかの貨物チャーターでしょうか。セントレアでこの二機が揃うのは非常にレアでは?!
シンガポール航空 エアバスA380 ビジネスクラスシート
さて、機内に入ると待ち受けているのは先日ディスってしまったあのシートです。
デビューから大分時間が経っているものの、綺麗にメンテされています。このあたりがやっぱりSQクオリティ。
2色有るうち、ダークブラウンの方が個人的には好みです。枕は贅沢に2個プリセット。
ベースとなっているのはスタッガード配列なので、足を入れる場所のみが片側に寄ってしまっています。これが後述する「斜め寝」状態を発生させる原因。
左側の奥に押し込めば、手荷物を座席下に収納することも可能です。
ベッドモードにすると、こんな感じ。
後ろの足が入ってくる所はボコリと三角柱型に飛び出しています。リージョナルの昼行便であるにもかかわらず、しっかりベッドパッドまで敷いてくれる点は流石です。
こちらの画像は寝そべった視点から。やっぱりどうしても斜めな感じ。こんな見え方になります。寝心地は至って凡庸です。JALのSS7やCirrus系統の座席の方が良く眠れそうです。
業界に先駆けて多様な機能を盛り込んだ野心的なシートだとは思いますが、個人的な評価ではそこまで高得点があげられない…という座席。なかなか言語化しづらい部分なのですが、やはり相性の悪さを感じてしまいます。
シンガポール航空 食事・ドリンクサービス
食事に関しては、ざっくり和懐石か洋食コースからの選択。洋食の場合は、アントレを3種類のメインコースから選ぶことができます。
今回は洋食の中から「味噌風味飛騨牛大和煮」をチョイスしました。
離陸後、程なくドリンクサービスが始まります。
その後、お馴染みのサテーが配膳されます。牛と鶏の二種類から選べるので、適当にミックスして盛ってもらいました。
この後は前菜・メインコースと続くのですが、サービスのペースは非常にスローです。「お客様にはシンガポール航空ご自慢のお食事をゆーっくりお楽しみいただきます♪」という趣向なのかもしれませんが、見方を変えると、トロい(笑)
キャセイパシフィック航空の電光石火のようなサービスにならされている一見客にとっては、後者の印象の方が強く感じられます。同行者がいて、会話をしながらなら問題ないのかもしれませんが、一人黙々と食べていますのでどうしても時間を持て余してしまうのが難点です。
前菜は「スモークツナとアボガドのタルタルにホタテのグリル、メスクラン添え」。
ツナとアボガドのタルタルは悪くない…というか、むしろ美味しいです。しかし、ホタテのソテーはウェルダンもいいところ。中までカツカツに火が通り、硬くなってしまっているのが残念でした。
乗り継いだシンガポール→バンコク間でもホタテが供されましたが、こちらは適切な火加減だったので、セントレアのケータリング会社に問題があるのでしょう。
大分間を開けてからパンがサーブされ、ようようメインコース「味噌風味飛騨牛大和煮」の配膳です。
大和煮とありますが、思いの外大ぶりなサイズの牛肉が姿を見せ、驚かされます。煮汁(もはやソースっぽいですが)は結構しっかりと味噌が利いており、名古屋飯っぽく甘めに仕上げられています。これ、中京地域出身者は喜ぶだろうけど、他の地方の人はどう感じるんだろう…?
牛肉そのものは非常に柔らかく煮えています。この点に関して、機内食としてはかなり高いレベルにあるでしょう。ただ、若干脂身が多くしつこい…もう少し赤身っぽい部位を使った方がより美味しいのでは?と感じました。
ぷりぷりとした麦飯は、ナイスアイディア。普通の白米よりも機内食向きかもしれません。
大分満腹になったところで、最後にデザート。「さつまいもとりんごのパイにアングレーズソース添え」がサーブされます。
これは文句なしに美味しかった。今回食べた四品の中の、ベストディッシュです。
その後チーズ&フルーツのオファーもありますが、満腹なのでパス。ワゴンの写真だけ撮らせてもらいました。
「写真とらせてくださーい」とお願いすると、「あ、ちょっとまってね、このクラッカーが上下逆さになっちゃってるから…」と慌てて直す几帳面さはいかにもSQ。他のアジア系航空会社では考えられない光景です(笑)
全体的に平均点は超えているものの、卓越したものはないかな…?という内容の機内食でした。アウェイな空港で搭載しているので、致し方ないですかね…。このあと乗り継いだシンガポール発の便は、ずっとレベル高かったですよ。
シンガポール航空 SQ671便 ビジネスクラスのサービス
今回搭乗した便のサービスは非常に丁寧であるものの、同時にスローリーな感じ。この便のビジネスクラスは7割程度の搭乗率だったため問題無さそうでしたが、ド満席の時はこの調子で大丈夫なのだろうか…?と若干心配になってしまいます。
また、サービスを提供するために通路に出てくる客室乗務員が、都度都度入れ替わるのはちょっと面白い感じ。「担当の客室乗務員と最初にソーシャライズしておくと、後々色々と便利&有利〜」と考える私にとっては、若干やりづらい感じでした(笑)
とはいうものの、シンガポール航空の客室乗務員は皆さんPoliteかつ丁寧。誰に声をかけても手抜かりなくサーブしてもらえるので、乗客サイドで余計な事を考える必要はなし!ということなのかもしれません。
日本人客室乗務員もビジネスクラスには2名が乗務。乗客の殆どが日本人だったので色々と忙しかったのではないでしょうか。日本発着路線に関しては、英語が全く不得手な方でも安心して乗れる航空会社だと思われます。
SQでは珍しい!天然系おもしろスッチーに遭遇
今回搭乗した便での面白スッチーグランプリは、この日本人客室乗務員のうちの1名でした(笑)この人、かなり天然で良い感じです。
事が起きたのは、食後のお昼寝の後のこと。トイレから戻ってくると、この日本人乗務員さんがベッドをシート状態に直しにかかっていました。
仕事の邪魔をしては悪いので
「ちょっと写真撮ってくるので、そこにあるカメラだけ取らせて下さい」
と声をかけると
「あ、はい、もちろんです。でも、ちょっとこのお盆置いてきていいですか?」
と謎の返答。
(???)と思いつつも、まーいっかとキャビン後方に移動して機内の写真撮影を開始しようとすると…なぜかさきほどの日本人さんがトコトコやってきて
「ここでいいですかー?てか、もっと若い子いますから、連れてきましょっか?笑」
とポーズを取りはじめました。
機内の騒音のせいで聞き間違いがあったのでしょう。私が彼女の写真を撮りたがっていると勘違いされていたのでした。
ちがーう!笑と思いつつも、ここまできてお断りするのも却って失礼にあたるでしょう。ありがたく何枚か撮らせていただきました。
天然な勘違いはさておき、そのノリと「もっと若い子連れてきまっせ—」というセンスは、個人的なシンガポール航空のイメージとは真逆を行く感じ。
優等生的な傾向が強いシンガポール航空ですが、色々探索してみると、こういう面白系乗務員も混ざっているのかもしれません。ポジティブサプライズといえましょう。搭乗回数を重ねることによって、見えてくることがあるということを改めて思い知らされます。
こちらは、その後撮影した機内後方からの写真。ムードライトが良い感じですね。
写真を撮りおわってしばらくすると、もう巡航高度から降下が始まります。
向かい風が弱かったのか、A380がパワフルなのか。飛行時間は5時間とちょっと。あっという間にシンガポールチャンギ空港に到着してしまったのでした。
シンガポール航空 SQ671便 ビジネスクラス搭乗記 まとめ
いつも通り、無難に快適なシンガポール航空のフライトでした。
エアバスA380の広々とした空間は快適であったものの、やっぱりこのシートはちょっと苦手。シラスやヘリンボーンの方が寛げるかな?という感じです。
クリスフライヤーの特典航空券は必要マイル数も少なく、名古屋、大阪、福岡発であれば、Saver特典でも割と席が取りやすい印象です。
A380やB777-300ERの上級クラスは他社のFFPからはとれませんから、AMEXやSPGスターポイントを大量に保有している方にとっては、ポイントの移行先として悪くない選択だと思われます。
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