既に色々な所で公言してしまっていますが、2015年度を以て、メインのFFPを変更しました。キャセイのマルコポーロクラブから、British Airways Executive Clubへ引っ越しです。
★メインFFP変更の理由
2010年にマルコポーロクラブに入会してから、丸5年。シルバーとゴールドの間を行ったり来たりの5年間でしたが、その間の満足度は高かったように思います。しかしながら、昨年9月に発表された改編を考慮すると、私の利用パターンでは投資に対する十分なリターンが得られないのが見えてきました。
これまでキャセイを利用するのは、アジア内の移動時が殆どでした。エコノミーとプレミアムキャビン(PY/J)の利用比率はセクターベースで概ね1:1くらい。エコノミー利用時はVクラス以上を利用していたので、出張のある年は、セクターベースで無理なくゴールドを達成できていました。
加算率が良かったり、ボーナスマイルが充実していたり、クレジットカードの年会費さえ払えばエリート資格を維持できる「おいしいFFP」が存在する事は、当時から理解していました。ただ、エコノミー利用時に3割くらいの確率でインボラアップグレードをもらえたり、何より非公開ベネフィットを裏打ちとしたキャセイに対しての情緒的な価値が、マルコポーロクラブに加算を続けるインセンティブになっていたのです。
新しいマルコポーロクラブ制度の検証
今回改編されたクラブポイントチャートをレビューしてみると、従来の乗り方では結構背伸びしないとゴールドに届かないことが見えてきました。一方、BA Executive Clubに加算することを前提に試算してみると、Oneworld Emerald相当のゴールドに難なく到達できることが分かりました。高頻度で飛ぶ機会がある、香港〜ジャカルタ間が2,000マイル以上の「長距離」に分類されるのが大きな要因です。
キャセイに加算し続けると、シルバー(Oneworld Ruby)落ち。一方、BAならば最上級のEmeraldを獲得できる。(BA/IB便4区間の搭乗は必須ですが)熟慮の結果、キャセイに対するロイヤルティや情緒的な価値は、このギャップを埋めるほど大きくないという結論に至った次第です。
制度変更の裏にある?思惑
制度設計や機材施策を俯瞰してみるに、ここ最近のキャセイはアジア域内路線単体で収益を上げるという事をあまり重要視していないように思います。
競争が激しく、プレイヤーのレベルが総じて高いアジア地域でデスマーチを繰り広げるよりは、収益性の高い長距離路線に資本を集中投入し、競争力を確保。リージョナル路線は長距離路線に乗客を吸い上げるフィーダーとしての使命を最優先にする。そんな戦略が見え隠れします。
彼らの新戦略からこぼれ落ちるセグメントの顧客としては少し寂しい気もしますが、資本主義に覆われている世界ですので致し方ありません。航空会社も顧客を選びますし、顧客にも贔屓の航空会社を選ぶ権利があります。至って健全な関係性であるとも言えましょう。
マルコポーロシルバーを維持する方法
と、いいつつも5年間お世話になってきたキャセイに、完全に「ごきげんようさようなら」してしまうのも無情というか、心情的に寂しいところです。ということで、お手軽にマルコポーロ・シルバーを維持する方法を考えました。
日本ではあまり知られていませんが、米国発の業界横断的メンバーシップに「Founders Card」というものがあります。これについては後日詳細な解説記事を書く予定ですが、このプログラムに
・キャセイパシフィック航空 マルコポーロシルバー資格を1年間付与
・同社公示運賃が5〜25%OFFに(アジア諸国発券は5%OFFとのこと)
というベネフィットが含まれています。Founders Cardの会員資格が有効な年であれば、規定クラブポイントに達しなくともシルバーティアが維持できるのです。シルバーごときで何の意味があるんだと仰る向きもあるかもしれません。ただ、そもそも論としてキャセイのエコノミークラスは、安価な予約クラス(L/V/S/Nなど)だとBA Executive Clubに加算することができません。また、今回の改編でシルバーについても会員数の減少が想定されます。となると、キャセイお得意の「非公示ベネフィット」がシルバー会員に対しても相対的に手厚く振る舞われる可能性がある、と考えることも可能です。
新制度下でどういったことが起きているのか観察する意味でも、この方法で
British Airways Executive Club ゴールド
マルコポーロクラブ・シルバー
の二刀流を当面の間キープして行く予定です。