先日こちらの記事で予告させていただいた通り、シリーズ企画スタートです。
年間のホテル滞在回数に応じた、オススメのチェーンホテル会員プログラムに関する記事を投稿していきます。第一弾のターゲットは、海外ホテルでの年間滞在回数が5回未満の方です。
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海外ホテル年間滞在回数が5回未満の方のイメージ
典型的な例を挙げさせていただくと「定期的に海外旅行にはでかけるものの、パッケージツアーやダイナミックパッケージの利用が中心で、個人手配の経験はあまりない方」というイメージです。
こういう方だと、マイレージに関しては
・失効してしまうともったいないので、定期的に残高が変動してさえいれば有効期限のない、米国系航空会社のマイレージプログラムでマイルを貯めておきましょう
・日系航空会社のマイルは、各種ご利用券やスカイコインにさっさと交換するが吉です
くらいのアドバイスしかできません。また、上級会員を目指して修行する予算があるのであれば、気になっている航空会社のビジネスクラスやプレミアムエコノミーを有償購入してもらい、「カーテンの向こう」っちゅーのはどんなもんじゃいな?という点に関し、体感してもらうことをオススメしています。
一方、ホテルのロイヤルティプログラムは上級会員メンバーシップを「購入」することもできるので、いきなりメリットを享受することが可能です。今回は、このようないきなり獲得できるメンバーシップにフォーカスして解説していきます。
おトク度抜群?!Hilton HHonors Gold 会員
まず鉄板としてご紹介したいのはヒルトンホテルズが展開するロイヤルティプログラム「HHonors」のゴールド会員です。
HHonors ゴールド会員が享受できるメリット
①2人目宿泊無料(2名利用であっても1名分の宿泊料金でOK)
②プリファードルームへのアップグレード(空室状況による)
③レイトチェックアウト(空室状況による)
④無料のコンチネンタル朝食(コンラッド、ヒルトン、ダブルツリーのみ)またはボーナスポイントの提供
⑤フィットネスセンター・ヘルスクラブの無料利用
⑥ベースポイントに対して25%のボーナスポイントを獲得可能
⑦ポイントを利用した5連泊以上の滞在時に5泊目が無料に などなど
この中で最も嬉しいのは無料の朝食ですね。コンチネンタル朝食とありますが、多くのホテルにおいては通常の朝食ビュッフェの利用を案内されます。特にアジア圏のホテルはビュッフェも充実している傾向がありますので、朝からパワーブレックファーストを満喫できます。
海外での利用の場合はあまり関係がありませんが、日本国内でも宿泊される方にとっては「2人目宿泊無料」は美味しい特典です。これだけで一泊3,000円〜5,000くらいの価値があります。少し前まで配偶者限定でしたが、この制限は撤廃されたようです。
プリファードルームへのアップグレードは、よっぽどの満室状態でなければコンスタンスに提供されます。エグゼクティブレベルの客室にアップグレードされた場合は、エグゼクティブラウンジへのアクセス一緒についてくる場合が多いです。ホテルにメールか電話を入れて「どの客室カテゴリを予約しておけばエグゼクティブレベルの部屋に上がりそうか」探りを入れておくと良いでしょう。丁寧に訊けば、大抵の場合は親身に教えてくれると思います(当日の空室状況次第という留保はつきますが…)
なお、これらのベネフィットはExpediaなどの旅行代理店経由で入れた予約には適用されません。Hhonorsポイントを貯め、各種ベネフィットを享受したい場合には、必ずヒルトン公式サイトから予約をしましょう。
また、ヒルトンにはeStandby Upgradeというアップセルのシステムがあります。「ホテル到着時に空室があった場合のみ」という条件つきで、元々の差額よりも小さな金額を支払うことで、上位の客室へのアップグレードが受けられるという仕組みです。これだけならば「ふーん」という感じですが、Hhonors Gold会員の場合は、更に大きなメリットを享受できます。
予約の状況をHiltonのアプリなどでこまめに観察していると、到着数日前にアップグレードが確定している事がしばしばあります。この段階でeStandby Upgradeにアクセスしてみると、更に上位の客室へのアップグレードオファーが表示されます。
このとき、予約した元のカテゴリの客室との差額ではなく、ゴールドアップグレードされた客室を基準として再算出されたものが表示されることがあります。結果、当初のオファーよりもかなり安くなっています。若干運任せな側面はありますが、エグゼクティブレベルの客室やスイートルームにかなり割安な料金で宿泊できる場合もありますので、ぜひチェックしておきたいところです。
Hilton HHonors Gold資格を手早く獲得する方法
①三井住友銀行の提携クレジットカードを発行する
三井住友カードが発行する「ヒルトンHオナーズVISAカード」のゴールドカードに申し込むのが最短の方法です。審査にとおれば、クレジットカード保有期間中は自動的にHHonors Gold会員資格も維持されます。
年会費は13,950円。上記のメリットを考慮すると、年間5泊程度する方ならば余裕で元が引けるでしょう。日本在住かつ安定した勤務先で仕事をされている方にとってはベストな選択肢だと思われます。
②Founders Cardに入会する
先日の記事でご紹介したFounders Card。ここでもHHonors Gold特典の提供を行っています。年会費は定価USD795、プロモーションを活用するとUSD295~395くらいのようです。
会費は上述の三井住友カードと比べて高めですが、居住地や勤務地を問わず、会費さえ払えば確実に取得できますので、人によってはメリットがでてくるでしょう。また、ヒルトンの他にもキャセイやハイアットでの割引など、トラベル関連のベネフィットが多数付帯してきますので、それもひっくるめてであればバリューがあると思います。
③Hilton Gold 90日間 Fast Trackに参加する
Hilton HHonorsではこのようなFast Trackキャンペーンを随時行っています。
申し込み後90日間に、対象となるヒルトンホテルズで4滞在(4泊ではないですよ!)以上をこなすと、ファストトラックでゴールド会員資格をもらえるという塩梅です。
出張等で複数のヒルトンに宿泊する予定のある方は、これにかませて一発取得するというのもありかもしれません。一方、自腹宿泊を前提とすると、4滞在ならばUSD400程度の予算が多くの場合必要になってきます。チャレンジ中は平会員のままなので、諸々の特典は享受できません。それであれば、上記の三井住友カードを作るか、Founders Cardに入ってしまった方が話が早いと思います。
1ランクアップグレード「確約」が魅力
Intercontinental Gold Ambassador会員
Intercontinental Hotels Groupの中でも、インターコンチネンタルブランドのホテルに宿泊する機会が多くなりそうであれば、こちらのGold Ambassador会員がオススメです。
このメンバーシップは、インターコンチネンタルホテルが提供する「アンバサダー」とIHG Rewards Clubの「ゴールド」会員資格がセットになったものです。
従って、同じIHGのホテルに宿泊する場合でも、インターコンチネンタルに滞在する場合と、その他のブランド(クラウンプラザ、ホリデーイン等)に泊まる場合で受けられる特典が異なりますので、注意が必要です。
Intercontinental Gold Ambassador会員が享受できるメリット
インターコンチネンタルホテル限定の特典
・予約時のカテゴリから1ランク上の客室へのアップグレードを「保証」
・客室内にフルーツ、ウェルカムギフト、ミネラルウォーターを用意
・2名宿泊でもシングルルーム料金でOK
・専用チェックインエリアの利用
・16時までのレイトチェックアウト(空室状況による)
その他のIHGホテルズでの特典
・プライオリティチェックイン
・基本ポイントに対する10%のエリートボーナスポイントの獲得
・レイトチェックアウト(空室状況による)
会費&入会の方法
入会はこちらから
年会費:USD200(日本円換算21,000円程度)
上記の通り、インターコンチネンタルブランドとそれ以外のホテルでは、享受できるベネフィットが大きく異なります。クラウンプラザやホリデーインでも客室のアップグレードや無料ドリンク券をもらえることもありますが、このあたりはホテル側の厚意で設定されているものです。一様に提供されるものではありませんので、事前のリサーチが必要です。
ゴールドアンバサダー会員特典の中でユニークなのは、予約時から1ランク上の客室へのアップグレードが「保証」されている点です(他のホテルプログラムにおいては、最上級ステイタスであっても「当日の空室状況により」という留保条件がつきます)
従って、空室状況が逼迫している日に宿泊すると、すぐ上のカテゴリに空室がなく、三階級特進でスイートにアップグレード!という可能性もあります。私の知人で、香港のインターコンチネンタルホテルに初宿泊したところ、最安カテゴリから一気にハーバービューのスイートにアップグレードされたという幸運な人が居ます。4階級特進のごぼう抜きアップグレード、チェックインの瞬間が楽しみになってしまいますね。
また、ホテルと到着前にやり取りすることで、事前にアップグレードを確定することも多くの場合可能です。例えばクラブルームの直下のカテゴリの客室を予約しておき、事前にネゴができればクラブルームへの宿泊を事前FIXすることができます。
クラブアクセス付きの客室にアップグレードされれば、ラウンジでの朝食も伴ってついてきます。アンバサダー特典には無料朝食は含まれませんので、このような使い方が有用だと思われます。
後述する「ウィークエンド無料宿泊券」ももらえますので、ほぼ100%元の取れるメンバーシップだといえましょう。
ウィークエンド無料宿泊券の使い方
Intercontinental Gold Ambassador会員になってしばらくすると、会員キットが送られてきます。この会員キットには
・プログラム案内
・ラゲージタグ
・IHG Rewards Points 5,000ポイント分のバウチャー
・ウィークエンド無料宿泊券
が含まれていますが、気になるのはウィークエンド無料宿泊券です。これを活用するのが、ゴールドアンバサダー会員資格をよりバリューなものとするための近道です。
このウィークエンド無料宿泊券は
・インターコンチネンタルブランドのホテルにおいて
・金〜日 or 土〜月 の週末2泊連泊滞在をする場合に(中近東では木〜土/金〜日)
・2泊目の宿泊料金が無料になる
バウチャーです。この無料券は、1泊のみの宿泊や、インターコンチネンタル以外のホテルでの滞在では利用できないので注意が必要です。
この宿泊券を利用するための料金はこちらのリンクから検索できます。このとき、Rate Preference を”Ambassador Certificate”にセットすることをお忘れなく(なぜかインターコンチネンタル以外のホテルも表示されてしまいますが、この宿泊券は利用できません)
例えば、上記のIntercontinental London Park Laneの場合、Classic Roomの一泊当たり料金はGBP449.00。本日のレートで7万円くらいです。これが2泊目無料になるのは美味しいですね!
予約画面上では2泊フルフルの宿泊料金が表示されていますが、心配ご無用です。チェックイン時に無料宿泊券の原本を提示することで、2泊目の料金が差し引かれる運用になっています。
なお、2泊目の料金が無料になる関係上、1泊目の料金が2泊目と比較して高い場合は相対的に値打ち感が下がってしまいます。例えば東京のホテルで利用すると、土曜日の宿泊料金が総じて高額である一方、日曜日は稼働率が低いせいか割安です。「2泊分の宿泊料金を足して二で割る」のではありませんから、こういう場合は金曜チェックイン・日曜チェックアウトで利用した方が賢いでしょう。
この無料宿泊券の存在により、毎年コンスタンスにインターコンチネンタルホテルに宿泊される人ならばほぼ確実に元がとれるのがGold Ambassador資格の良い所です。
高還元率が嬉しい Accor Le Club Gold 会員
詳細はこちらの記事に譲りますが、Accorホテルズのロイヤルティプログラム「Le Club」でも、ゴールド会員資格を年間会費90ユーロで獲得することが可能です。
先述したヒルトンもインターコンチネンタルホテルズも米国系のチェーンであるため、欧州を始めとする一部の地域では若干影が薄いこともあります。そういった国に旅行される機会の多い方にはオススメのプログラムです。
まとめ
今回は、海外ホテル年間滞在回数が5回未満の方でもメリットを十分に享受できる、チェーンホテルのロイヤルティプログラムをご紹介しました。
現在旅行代理店を通じて都度都度違ってホテルを予約している方も、一度試してみると楽しいと思います。単純な旅のパーツに過ぎなかったホテルが、違った意味合いを持つ存在に昇華すること請け合いです。
次回は、もう少し滞在頻度の多い方にとってメリットの出やすいプログラムをご紹介します。