Amtrak コースト・スターライト号 乗車記 Los Angeles Union Station編

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今回の米国旅行で一番のお楽しみだった、アムトラック(全米鉄道旅客公社)の乗車記第一弾です。ロサンゼルス→シアトル間を約36時間かけて運行する Coast Starlight号に乗車しました。(予約はかなり前に公式サイトから済ませておきました

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堂々たる佇まいーLos Angeles Union Station

Coast Starlight号の旅の始まりは、ロサンゼルスはユニオンステーションから。Crowne Plaza Los Angeles AirportからUberXでフリーウェイを飛ばすこと約20分。日曜日の朝ということで懸念された渋滞もなく、スムーズに到着することができました。

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米国鉄道黄金時代末期に建設されたロサンゼルス・ユニオンステーションは重厚感漂う堂々たる駅舎。内部に一歩足を踏み入れると、古き良き時代のアメリカが広がっています。

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現在運用されている設備も、全て当時の雰囲気を損なわない形で設えられています。歴史物からアクションまで、ハリウッド映画のロケでもよく使われる駅だそうで、そうなることも頷ける壮大な建築です。一部工事中のエリアも有り、コンサートホールか何かになるのかな?と推測しています。

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こちらは待合室。大型の革張りソファが多数置いてあります。定期的に係員が巡回しており、乗客以外は利用できないようになっている模様。従って、荒廃することもありません。

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出発便一覧を見ると、お目当てのCoast Starlight号は10番のりばから発車することが分かります。日曜の午前中と言うことで閑散としているのかと思いきや、結構な出発ラッシュ。もちろん日本の高密度運行とはレベルが違いますが、近郊鉄道のMetro Linkやサンディエゴ行きのAmtrak “Pacific Surfliner”など、続々と発車するダイヤになっています。

また、この駅にはバスターミナルも併設されています。Amtrakでは列車利用者専用のフィーダーバスサービス”Amtrak Thruway”を無料で提供しています。こういったバスも一緒に表示されているのが興味深い所です。

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ちょうど手元の小銭が切れていたので、駅構内のStarbucksでコーヒーを購入。「悪いけどお釣りを5ドル札と1ドル札でちょうだいね!」とお願いしたところ、嫌な顔一つせず対応してくれました。

詳細は後述しますが、食堂車利用時には1名あたり2-3ドルのチップが必要です。寝台車利用者は全ての食事が運賃にコミコミになっていますが、サーブしてくれるウェイターへのチップは、別途必要になってくるのです。もちろん、お願いすればお釣りも用意してくれるのですが、なんとなくスマートじゃない感じがするので、小額紙幣を予め調達した次第です。

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さて、アメリカ人っぽく(?)コーヒーをグビグビやりつつホームへ。ちょうどリージョナル便が到着した所なのでしょうか。結構な数の降車客がこちらにやってきます。

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10番ホームの下までやってくると、Coast Starlightの看板が置いてあります。往年の「L特急」もかくやというような、列車のトレードマークは、列車内・駅構内問わず随所で使用されています。

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スロープを上がるといよいよ地平ホームです。大陸らしいなんとも贅沢なホーム配置。良いお天気も手伝って、なんともご機嫌な感じです。

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隣のホームからは、ちょうどPacific Surflinerのサンディエゴ行きが発車していくところ。出発時刻まで余裕があったので、トレインスポッティングに勤しむことにいたします。

 

 

LAX Union Stationでトレインスポッティング!

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ネイビー基調のさわやかな特別色をまとうPacific Surfliner。サンディエゴ行きの短距離便なので寝台車の連結はなく、普通車(Coach)とビジネスクラスのみの設定となっています。山越えなし&短編成なので機関車は1両だけです。

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ほどなく別のPacific Surflinerが入線してきました。上品そうなおじさまも童心に返ってバシャバシャ写真を撮っています。推進運転にはいつも心くすぐられますが、巨大なダブルデッカー車であるだけに尚更です。

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こちらは先頭の機関車。高さをダブルデッカー車と揃えてあるので、可愛い顔をしながらなかなかの威圧感です。正面の三枚窓が、EF55を想起させてくれます。

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隣のホームには近郊鉄道 Metro Linkもやってきました。先頭の客車には本格的な運転台がついています。終点での機関車付け替えを行わなくても済む、機動性重視の仕様です。新型・旧型の客車が混結されているのもまた乙なものです。

 

 

ついに Coast Starlight 号が入線!

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そうこうしているうちに、定刻より若干遅れてCoast Starlight号が姿を現しました。この客車は簡易運転台すらついていないので、通路に立ったお兄ちゃんがトランシーバーで機関車と交信し、そろりそろりと入線してきます。

この日の編成は堂々の11両編成。編成後方が座席車、真ん中に食堂車とラウンジカーを挟み、先頭に荷物車と寝台車がくる構成になっています。

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座席車・寝台車ともにAmtrakの主力客車”Super Liner”が使用されていますが、ラウンジカーだけは”Pacific Parlor Car”というクラシカルな車両を連結しています。

この”Pacific Parlor Car”は1954-1964年製造。東急電鉄の車両にも大きな影響を与えた鉄道車両メーカー、Budd社が手がけた車両です。製造後半世紀以上が経ちながらも、なんともかくしゃくとしたお姿。アメリカ製鉄道車両の頑丈さには驚かされます。

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実は、座席車・寝台車を構成する”Super Liner”も結構なベテランです。今回乗車した編成は2世代あるうちの初代の車両で構成されていました。従って、1978年~1981年にかけて、かの有名なプルマン社によって製造された車両ということになります。ぴかぴかに磨き上げられ、古さは一向に感じられません。

ちなみに2代目”Super Liner”は1993年-1995年に製造されていますが、メーカーがボンバルディアに変わっただけで、基本的な設計は全く同一なのだとか…

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さて、丸2日間近くお世話になるのはこちらの1432号車。車内の様子は次の記事でお送りします。

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