本日の記事は、航空券購入代金節約のTIPSネタです。
ベテラントラベラーの方にとっては「そんなん当然じゃーん!」という事柄かもしれませんが、世の中的には意外と知られていなかったりしますので、記事にしてみました。
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マリッジセグメント(Marriage Segment)とは?
まずは、言葉の定義から。「旅行用語辞典」さんというWEBサイトの定義が、分かりやすくまとまっていたので、引用させていただきます。
Marriage segment Marrige segment(マリッジセグメント)とは、航空会社のフライト便の空席状況を管理する方法のひとつです。乗り継ぎ便の空席を区間毎でなく、出発地から目的地まで含めて1つの行程としてオペレーションすることで、2つの便をセットし、あたかもひとつの便のように在庫席をマリッジセグメントコントロールといいます。このマリッジセグメントの旅券の場合ですが、接続便で予約を確保した場合一部の区間のみのキャンセルはシステム上できないようになっています。
一言で言えば、乗り継ぎ旅程を予約するときに、乗り継ぎ地を挟んだ2便をセットとして取り扱わなければならないよ、というルールですね。
これだけだと「だから何?」という感じですが、航空会社がこの仕組みを使ってレベニューコントロールを行っているという点がミソです。
マリッジセグメントによって希望便の予約が取れない場合
例えば、こんな例。
営業施策上、他よりも大幅に割安な料金を販売している出発地があるとします。このようなときに、特定のブッキングクラスに関し
1区間目:出発地→乗り継ぎ地
2区間目:乗り継ぎ地→目的地
といった具合に、別々に空席照会をかけると両区間ともに空席が存在したとします。
しかし、マリッジセグメントが設定されていると
出発地→乗り継ぎ地→目的地
と一気に空席照会をかけた場合には、同じブッキングクラスであっても空席がない!!ということになってしまったりするのです。
私が何度も涙を飲んだのはキャセイパシフィック航空の台北発券ビジネスクラス。ジャカルタ行きのIクラスが日本円換算で8万円程度と、週末香港・台北や日本への帰国用に非常に重宝していました。しかし、このマリッジセグメントに邪魔をされて、希望便で予約が取れなかったこと数知れず。
台北発券が割安であることについては、当然ながら国泰城の人も把握しています。このため、香港=ジャカルタ区間の収益管理の観点から、同じIクラスの中でも、台北発旅程に割り当てられる席数を制限していたのでしょう。
また若干話が横道にそれますが、インボラアップグレードの発生を予測する場合も、マリッジセグメントの存在に注意することが必要です。
2区間通しで空席照会をかけると「J9C9D9I9Y0B0H0……」となっており、うぉー!これは来ちゃうかも?と小躍りさせられることがあります。これではぬか喜びになりかねません。
搭乗予定便の予約状況をより実態に即した形で知りたい場合は、1区間毎に空席照会をかけなければなりません。
マリッジセグメントを外すことで、航空券代金を大幅節約!
年末年始やお盆などのピーク時にも、このマリッジセグメントが「悪さ」をすることがあります。
先日、知人から相談を受けた際、マリッジセグメントを外してやることで、大幅に航空代金を節約できることがありました。日程をダミーのものに変えて、その内容をご紹介します。
★相談内容
年末の休暇に、家族4名で、名古屋からニュージーランドのオークランドに行きたい。現在旅行代理店からもらっている案は、全日空+ニュージーランド航空の成田経由の旅程で、一人26万円なり。どうも高い気がするので、どうにかならない?
★キャセイパシフィック航空で同じ日程を検索してみると…?
往復Bクラスで、一人あたり200,150円なり。復路はBクラスよりも割安なプレミアムエコノミー(Eクラス)も空いているようなのですが、CXに電話して確認した所、EクラスはY/Bクラスとコンビネーションができないようです。なんじゃそりゃ!
知人に見せたところこれだけでも「うぉー、かなり安くなりますね!」というリアクションだったのですが
(キャセイのY往復で20万っていくらピーク時とはいえバリューじゃないよな…)
と耳の中のこびとがささやいています。もう一晩時間をもらって、もうちょっと良い方法を考えることにしました。
少し安いエコノミー(Vは難しくとも、HやKあたり)が転がっていないか、前後の日程を探してみたものの、どうも巧く行きません。まともな乗り継ぎの旅程はBクラスしか上がってこないのです。
(でも、中華系の連中が大移動するのって旧正月だよな…ホントにこんなに混んでるのか?)
ということで区間毎に空席状況を調べてみると、両セクターともにVクラスまで空いている便がぽつぽつあります。うわー、これは日本発がピークだからってえげつないマリッジセグメントが設定されとるわ!ということで、この制限が外れるような形で、検索をかけてみました。
★往路香港途中降機(24時間以上の乗り継ぎ)旅程で検索をすると?
見事、往路Vクラスで取れるようになりました。往復Bクラスの場合と比較して1名当たり5万円OFF。かつ、復路はプレミアムエコノミーのEクラス(元々のエコノミーBクラスとはミックスクラスにできなかった)で予約を作ることができました。
オークランドでの滞在時間は若干短くなってしまいますが、家族4人で合計20万円近く節約できます。香港一泊のホテル代を考えても十分お釣りがくる水準です。
知人に勢い込んで報告した所、「ちょうど香港にも行きたかったところだった&プレミアムエコノミーって何それいけてるやん!」ということで、無事この旅程でFIXと相成った次第。
私は旅行業者でもなんでもありませんので、便名、予約クラスとFare basisをメモに仕立て、知人が元々話をしていた旅行代理店(というか、某急行系クレジットカードのデスク)で予約・発券をしてもらいました。
某急行クレカのデスクも、端からもっとちゃんと調べろー!と思わなくもないですが、とりあえずはめでたしめでたしという結果になりました。
(ちなみに、今回利用旅程の料金はいずれも往路・復路ともに香港で途中降機可能な運賃でした。運賃ルール上途中降機が認められない場合は、この技を使うことはできませんので念のため…)
まとめ
航空会社は収益を最大化するため、あの手この手を使って割高な運賃を売りつけようとしてきます。限られた経営資源から最大のリターンを得るために切磋琢磨するというのは経営体として至極当然の姿勢ですから、これ自体は非難されるべき事ではありません。
しかし、せっかくであれば一方的にむしられるだけでなく、一矢報いる賢い消費者になりたいところ。そもそもの旅程全体をいじって海外発券にトライするというのも一興ですが、日本発券の場合であっても、上の事例のように大幅にコストセーブを達成する事は可能です。
知恵を絞ることでかかるコストはゼロ!です。ピーク時に旅行を強いられる場合は、マリッジセグメントを外すことで、より安いブッキングクラスで予約する余地がないか、調べてみることをオススメします。
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