大韓航空 コリアンエアー KE2852便 北京→金浦 B747-400 搭乗記 その2

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

引き続いての大韓航空搭乗記です。前回は、高麗航空との遭遇という思いがけぬイベントにより書き切れなくなってしまいました。今回はちゃんとソウル金浦まで到着しますので、こちらが「本編」という格好になります。

Sponsored Link



広告

大韓航空 コリアンエアー KE2852便 搭乗

KE-PEK-GMP - 25

パルリパルリ!(急げ急げ!)な国のフラッグキャリア、大韓航空は多くの場合においてパンクチュアルな印象。今回のフライトも予告されていた搭乗開始時刻から寸分と違わず、ボーディングが始まりました。

KE-PEK-GMP - 29

エコノミークラスの乗客はすべてL2ドアから機内に入ります。人気トロット歌手的な風貌の事務長(大韓航空ではパーサーのことを事務長と呼んでいるようです。あの『ナッツリターン事件』の時、発狂した女性副社長が事務長をクビにして有名になりましたね)とBコン担当のキャビンクルーが、搭乗券を確認しながら乗客を左右に振り分けています。

90年代くらいまでは日本航空もこんな感じだったような記憶があります。あの「スチュワーデス物語」も、まさにこの手のフォーメーションの中、展開されたストーリーでした。

 

大韓航空 B747-400 エコノミークラスキャビン

さて、大韓航空B747-400 シュッポージャンボ機のキャビンをご紹介しましょう。

KE-PEK-GMP - 27

KE-PEK-GMP - 28

今回アサインしてもらった席はエコノミークラスの最前列。B747のBコンパートメントに位置するこのキャビン、半分はギャレーで埋まっているのでミニキャビン的な佇まいです。最前列は足元広々。これは見事な「当たり席」です。

KE-PEK-GMP - 31

通常座席のシートピッチはこんな感じ。JALの新間隔エコノミーと同じ34インチピッチですので、バルクヘッドの席でなくとも足元広々です。アームレストもしっかりとした作りになっており、昨今の詰め込み仕様777/787の座席と比較すると、著しくゆったり。

KE-PEK-GMP - 32

全体的に、20年選手とは思えないほどよくメンテナンスされています。JALのB747-400も引退直前まで綺麗な状態でしたが、それに匹敵するレベルであるように思います。

KE-PEK-GMP - 33

KE-PEK-GMP - 34

こちらは安全のしおりとブランケット。ブランケットは厚手の上質なもの。しつこいぐらいにKOREAN AIRロゴがちりばめられており、にやりとさせられます。こういう意匠なのだというわけではなく、いっとき問題になっていた、乗客による「持ち帰り対策」でしょう。ビニール袋にも「このブランケットは大韓航空の備品だから持ち帰るなニダよ!!」との注意書きがあります。

確かにちょっとほしくなる、イイ感じのブランケット。機内販売カタログに載っていれば、韓国からアクセスできないブロガーさんへのお土産にしてプチ嫌がらせができたのですが…コチュジャンしか売られていませんでした。残念。

KE-PEK-GMP - 30

目の前に広がるAコンパートメントは、ファーストクラス。2-2配列の古式ゆかしいスタイルがなんとも趣深いですが、この日は見事に乗客ゼロ。まぁこの短区間でファーストクラスを利用する客というのも殆どいないでしょう。

ぶら下がっている注意書きプレートにおける韓国語記載は「一等席」。大韓航空では、ビジネスクラスを「プレステージクラス」と銘打っており、韓国語記載もこの気取った呼称に倣っています。そんな中、ファーストクラスがこんなプリミティブな呼び方のまま残っているのは何とも不思議な感じです。ランキング大好きなお国柄ですから、「一等!」という響きに訴求力があるのでしょうか。ちなみに、エコノミークラスは「一般席」と呼んでいるようです。

 

 

大韓航空 上級会員資格・モーニングカーム特典に関する考察

出発ぎりぎりになって、窓側席には上級会員とおぼしき中年韓国人男性(以下KJJI)が搭乗してきました。

搭乗するなり事務長が挨拶にすっ飛んできていましたので、恐らくは「モーニングカーム・プレミア」以上のVIP会員なのでしょう。

morningcalm

上図は、大韓航空の上級会員システム。

搭乗マイルをスカイパスに加算し、大韓航空で年間累計50,000マイル以上飛ぶことで、晴れて「モーニング・カーム」会員になることができます。

50,000マイルも飛ばなければならない割には提供されるベネフィットは微妙です。ラウンジ入場にも回数制限(2年間に4回まで)があったりと、キャセイパシフィック航空のマルコポーロ・グリーン資格に毛が生えたような内容です。

スカイチームエリートプラスでもありませんので、他社利用時の特典も今一です。

辛抱しながら累計搭乗マイルが50万マイルに達すると、栄えある「モーニングカーム・プレステージ」会員の称号が与えられます。こうなってやっと他社の中位会員並みのベネフィット。スカイチームエリートプラスももらえ、向かう所敵無しといったところでしょうか。

いやはや、お隣は一見普通のKJJIなのですが、こんなシビアな条件を達成するまで大韓航空一筋で飛び続ける(推定)とは、畏敬の念を禁じ得ません。モーニングカーム平会員特典のしょぼさ故、私ならば確実に萎えてしまって続けられません。

しかし一度達成すればこの世にいる限り(or 大韓航空が存在する限り)スカイチームエリートプラス資格がキープできるのはなかなか良いですね。他社だと100万マイル搭乗が通常である所、半分の50万マイルで済むわけですし。しかも、不思議なことに大韓航空への搭乗は達成要件に含まれていません。何故でしょう(笑)

 

Sponsored Link



大韓航空 コリアンエアー KE2852便 北京→金浦 機内サービス

安定飛行に入った所で機内サービスがスタートします。

KE-PEK-GMP - 36

機内エンターテインメントはこんな感じ。一世代前のシステムですが、画面はいっちょ前にタッチパネル方式です。

KE-PEK-GMP - 38

行先も北ではなく、南の首都のようで一安心。機長が乗客もろとも亡命を図ったら大変ですからね。

KE-PEK-GMP - 37

Aコンパートメントは無人ですが、カーテンは閉め切られ、トイレも使用できなくなっています。なかなか徹底しています。

KE-PEK-GMP - 39

暫くすると昼食の配給がやってきました。短距離路線なのでホイホイっとトレーを配るだけです。メニューが用意されていなかったため詳細は不明ですが、メインは鶏肉の炒め煮。それに謎の漬け物と果物、パンにオレンジジュースがセットされています。

北京搭載の機内食ということで、悲惨なものを想定していたものの、意外と食べられる機内食でした。チキンの炒め煮は一口たべた瞬間に、ケミカルな臭いを感じましたが、フルーツはフレッシュですし、パンもまずまず。

KE-PEK-GMP - 40

トレイには既に地雷感漂う某オリンピックのオフィシャル航空会社ロゴも。

食事の後片付けが終わった後はつかの間の休憩タイム。機内を軽く散策してみましょう。

KE-PEK-GMP - 41

今回搭乗したミニキャビン。6列のみのこぢんまりとした空間である事が、お分かりいただけるでしょうか。

KE-PEK-GMP - 42

こちらはアッパーデッキへの階段。この機材は短距離路線用のハイデンシティ仕様となっており、プレステージクラスはアッパーデッキにのみ設定されています。

あれこれ写真を撮っていると、降下体勢に入ったので、席に戻ります。

KE-PEK-GMP - 43

金浦空港へのアプローチは、仁川市やソウル都市圏の上空をかすめての進入になります。今回は通路側なので、景色があまり楽しめず残念!地震がない(ことになっている)韓国の街並みは、上空から見るとかなりシムシティ風。お好きな方は楽しめると思います。

 

 

金浦空港ではオープンスポットに到着

KE-PEK-GMP - 44

到着後、なかなかゲートに到着しないなと思っていたら、オープンスポットに到着しました。到着後に調べてみた所、この機材は金浦到着後に済州行きの国内線運用に入るようで…国際線ターミナルのゲートに付けてしまうと、ターンアラウンドに時間がかかるためこのようなオペレーションになっているのでしょう。

KE-PEK-GMP - 46

この角度から大韓航空のB747を見るのは、これが最後かもしれません。

何かと億劫に思えるオープンスポットですが、ランプバスに乗り込んでしまえば、あとは入国審査場至近の降車場まで運んでもらえるので楽ちんです。運良く一番乗りでバスを降りることができ、無人の外国人用レーンを一瞬で通過。仁川到着時とは比較にならない素早さで韓国入国を果たしたのでした。

KE-PEK-GMP - 48

しかしながら、残念ながら荷物にプライオリティタグが付いていなかったようで。預け手荷物を受け取るには20分近くの時間を要しました。これはチェックインを担当したCZ職員のスキルというよりは、アリタリアの上級会員資格情報が正しくシステムに反映されないことが原因のようです。プライオリティタグがつけられているか、目視で確認しないといかんなー。と再認識させられる待ち時間なのでした。

 

 

まとめ

大韓航空のショートフライト、ゆったりなB747でのフライトということもあり至極快適でした。一時は国際線運用が消滅したB747-400も、ここ最近は、色々な路線にスポット的に顔を出しています。最後のご奉公といったところでしょうか。

これに乗るためだけに旅行をするというのはかなり酔狂な感じですが、搭乗予定の区間で飛んでいたら、乗ってみる価値は十分あるように思います。

Sponsored Link



広告