一週間強米国にいっており、更新間隔が開いてしまいました。日本語を読み書きする量が通常よりも著しく少なかったせいか、なかなか筆が乗らない!ということで、今日はキャセイパシフィック航空に関するファニー&ライトなネタで一本お送りしましょう。
元ネタは、おなじみSouth China Morning Post。検疫で引っかかった栄えあるマルコポーロ・ダイヤモンドメンバー様が、CX職員に無理強いし空港で蟹20匹を茹でさせたというお話しです。
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空港で毛蟹をボイルさせるマルコポーロ・ダイヤモンド会員が出現!
以下、2016年10月16日付けSCMP紙記事からの抜粋です。
・20匹の活毛蟹を手荷物として輸送していた台湾人男性が、台北桃園空港に到着
・生の海産物の持ち込みは現地法によって規制されており、当然ながら検疫でスタック。
・高価な活毛蟹が廃棄処分になってしまうことを避けようと、この台湾人男性は一計を案じた。
・この台湾人男性はキャセイパシフィック航空のダイヤモンド・マルコポーロ会員
・そこでCX地上係員を呼びつけ「俺はDIA様だー!このままじゃ俺の毛蟹が没収されてまう、調理済みなら問題ないらしいからどっかで湯がかせてくれー!!*」と依頼
・依頼を受けたCX係員は、まずはこのDIA様をキャセイラウンジに案内。このとき、正規の出国手続きを経ることなく、裏ルートで誘導してしまう
・厨房で20匹の蟹を湯がこうとするも、同ラウンジの厨房業務は外部業者に委託されており、失敗。
・諦めずに、次はArrivalエリアにある係員行きつけの空港内レストランにアタック!このDIA様、蟹の数を始めは伏せておき、OKをもらってから「実は20匹なんだけど…」とゲロるという策士っぷりを発揮
・「えー20匹とか無茶っしょ!」という話になるも、結局は1時間近くをかけて20匹の毛蟹をボイル
・毛蟹のボイルを達成したDIA様は、ほかほかの毛蟹を手にして首尾良く台湾入境を果たしたのでした。
*)ここに関しては筆者の想像です。ただ、従業員がこのような突飛な依頼を引き受けてしまった事を考慮すると、それなりに高圧的な物言いだったのではないかと推測されます。
いやはや、すごい話ですね。この毛蟹はまさにMarco Polo Crab。さぞ美味しかったに違いありませんが、顛末が発覚するに到ったApple Dailyへのリークは、同行していた乗客によって為されたのだとか。普段から問題行動を苦々しく思われている人だったのかもしれません。
洋の東西を問わず、履き違えた上級会員がDemandingな要求を振りかざすというのはよくあることですが「エアライン職員に蟹を茹でさせる」という展開を見るのは初めて。非常に中華圏っぽい展開で笑ってしまいました。誰か大切な人への贈り物だったのでしょうか。
DIAになるほど飛び回っているのであれば、自国の持ち込み禁止物くらい理解しておいてほしいところですが、それより気になるのは、このDIA様+CX係員の移動ルート。
バゲージクレーム→出発階制限エリア→到着階(恐らく非制限エリア)→バゲージクレームと飛び回っていますが、乗客の手を引いて無許可でこういう移動をするのは航空会社職員として完全にアウトかと。これを許してしまう空港の管理体制も非常にお粗末だと言えましょう。職員に内通者がいれば「招かれざる客」が制限エリアに自由に出入り可能ということですからね。
キャセイパシフィック航空はこのインシデントに関し「乗客を助けるのに熱心すぎる従業員が引き起こした事態」とコメントしていますが、事の美談っぽい側面を強調することで、批判を避けようとするのは少々厳しいように思います。
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上級会員への過度な対応に、不必要なストレスを感じているという証言も
同記事には匿名を希望する客室乗務員の証言も掲載されています。
“Cathay requires us to treat every passenger with sincerity, especially ‘diamond’ members. We have to greet them and introduce ourselves on board every flight. The ground staff member might have misinterpreted what the company required of us. I don’t think the staff member should be punished because the company places emphasis on the loyalty programme, which gives us unnecessary stress. The employee was just inexperienced.”
この客室乗務員は”an experienced flight attendant”とされていますが、具体的にどのような職位にあるかは不明です。
その点はさておいて「ダイヤモンドメンバーを中心とした上級会員には、特に誠心誠意を持ってサービスするように!!」という会社からのお達しが、客室乗務員にとって大きなプレッシャーになっていることについては、私たちも心に留めておかなければならないでしょう(この図式は、キャセイパシフィック航空に限らず、どの航空会社 or FFPにおいても共通ですな、多分)
まとめ
上級会員だからといって、客室乗務員や地上係員に高圧的に接したり、過度にDemandingな要求をするのを控えるべきであることは、言うまでもありません。High-flyerであるからこそ、彼らの立場や気持ちを慮り、ナイスな振る舞いをできるようにしていきたいものですね!
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