先日24時間以上に渡るシステムトラブルを発生させたキャセイパシフィック航空。その顛末に関してはこちらの記事でも取り上げました。そんな中、同社がITスタッフ17名を解雇したというニュースが入ってきました。
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キャセイパシフィック航空ITスタッフ大量解雇
事のあらまし
香港の現地報道とHumanResourcesOnlineの記事によると:
・キャセイパシフィック航空は6月13日付けで17名のIT部門スタッフを解雇
・この中には月収6万香港ドル(日本円換算約90万円)のスタッフも含まれていた
・IT部門のディレクターのJoe Locandro氏も同時に解雇に
・同社CEOは6月12日に「世界経済は景気減速局面にあるものの、現時点でレイオフの計画はない」と発言
・この直後の大量解雇であるだけに波紋を呼んでいる
・同社のスポークスマンによると、今回の解雇はコスト削減を目的としたものではなく、同社が常に行っているジョブポジション調整の一環であるとのこと。
・同時に、今後もデータセンターテクノロジーやクルーマネジメントシステムの強化など、重要な課題に継続的に取り組んでいく姿勢が明らかにされた。
とのこと。
確かに、単にコスト削減を目的としているのであれば、IT部門のみを狙い撃ちする必要はありません。何らか別の意図があることは、想像に難くありません。
Cathay Pacific Careersの動画に登場するディレクターも解雇されてしまったとは、何やら大がかりな粛清の香りが漂いますね…。
まとめ&所感
前回の記事でも述べましたが、キャセイパシフィック航空のオンライン予約機能や、マルコポーロクラブ・アジアマイル会員機能の安定性は、同業他社と比較して顕著に見劣りするように感じています。
ブランドに対するロイヤリティが高い上級会員ですら不安定なシステムに閉口気味なわけですから、ライトユーザーは言わずもがな。システム不具合に伴う機会損失も大きいと推測されます。
今回引用した記事は、いずれも雇用調整に対して批判的な論調です。しかしながら、一ユーザーとしては期待を感じるニュースでもあります。
IT部門の主要メンバーの入れ替えによって、長期間にわたって継続しているシステムの不安定さに改善の道筋が付くのであれば、ユーザーとして歓迎できることはいうまでもありません。
上記記事に登場するスポークスマンのコメントの中では、オンライン予約や顧客情報管理機能に関する直接の言及はありませんが、「データセンターテクノロジー」というフンワリとした領域のなかに、これらのシステムも含まれていることを祈るばかりです。
混迷極めるキャセイパシフィック航空のシステムに夜明けは訪れるのか。今後もウォッチしていきたいと思います。