キャセイパシフィック航空 CX533便 名古屋-香港線 最後のB747運航便(?)ビジネスクラス搭乗記

正月休みのある日、GDSを眺めていて面白いことに気づきました。

2016年2月いっぱい、香港名古屋線にB747-400がアサインされているのです。名古屋線にジャンボが入ること自体稀ですし、キャセイのジャンボは2016年中に引退が予定されています。

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これは名古屋線でジャンボに乗られる最後のチャンスかもしれない!ということで、出張日程を調整し、運行スケジュール上の最終木曜日に乗ってきました。

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予約・発券

今回、キャセイパシフィック航空の利用は片道のみ。従って、British Airways Executive Club特典航空券での予約を迷わず選択します。

キャセイパシフィック航空特典の場合、必要マイルの一部を購入することができる”Avios & Money”というオプションがマイル単価的におトクです。今回は手持ちのAvios数との兼ね合いもあり、12,800Avios+11,070円というオファーで片道ビジネスクラスチケットを発券しました。

予約した時点で、キャセイパシフィック航空のB747-400は残り3機。Flightradar24でチェックすると、調子が悪いのか運用変更も散見されます。

BAEC特典航空券は、変更・キャンセルに関する規定が比較的ゆるやかなのが特徴。万が一機材変更になってしまった場合でも、事前に判明するスケジュールチェンジならば柔軟に対応できることも利点といえます。

 

事前座席指定

予約を入れた名古屋香港便はJ/PY/Yの3クラス運航。3クラス運航ジャンボのお楽しみといえば、そう、ファーストクラスキャビンのビジネス開放です。

発券後、キャセイパシフィック航空の東京支店に電話し、予約記録にAAadvantage Platinum会員情報を紐付けてもらいます。その上で、iPhoneアプリから予約記録を確認してみると…ばっちり、1A・1Kのみ指定できるようになっています!

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ほくそ笑みながら1Aを選択し、座席指定を完了。ラッキーラッキー♪と思いつつ、搭乗2日前になってからオンラインチェックインを完了すると…

何の予告もなく、座席が16Aに変わった!!

ぬおー!と思い、再度1Aを選択し直そうと試みるも、ダメ笑 見事にキャセイのシステムに翻弄された格好です。しかたないので、早めに空港に到着して、カウンターで元に戻せないか訊いてみることにしました。

 

チェックイン@セントレア

毎度お馴染みの中部国際空港セントレア。キャセイパシフィック航空のチェックインカウンターに足を進めると、ラッキーな事に顔なじみのスーパーバイザーが勤務しています

手短にこれまでの経緯を説明すると、「変えられないか裏で確認してきます!」との心強い返事。ありがたくお願いすることにしました。

何やらカウンターの奥でゴニョゴニョ相談会を繰り広げること数分、こちらに戻ってきたSV氏の顔は何やら浮かない感じ。「あーこれはダメだったかもしれんな」と思ったら、案の定NGでした。

何でも、ファーストクラス区画のビジネス開放にあたっては
・マルコポーロクラブ ゴールド or ダイヤモンド会員
・他社のワンワールド・エメラルド会員
のみがアサイン可能で、他社ワンワールド・サファイア会員は対象外になってしまったのだそうです。昨年12月末でマルコポーロ・ゴールドが失効した直後に発券したのが悔やまれます!

「マニュアルで上書きすることもできないみたいで、今日はアッパーで飛んで下さい、ホントすみませーん」とのことでしたが、いやいや申し訳ないのは余計なお手数をかけてしまったこちらです…重ねがさね御礼をしつつ、搭乗口に向かいます。

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これまでキャセイパシフィック航空は他社上級会員にも極めて寛大な会社というイメージでしたが、今回のマルコポーロクラブ改定と前後して、少しずつポリシーを修正しているのかもしれません。達成基準等のハードルが上がった分、自社会員の待遇を強化するのは当たり前の事です。他社会員がブーブー言うのはお門違いも大概でしょうから、やめておきます。

若干話が本筋から外れますが、B747のF席開放といえば、チャイナエアラインズ(CI)も有名ですね。こちらは他社スカイチームエリートプラス会員でもWELCOME!らしいので、一度試してみたい所です。

搭乗

ゲートに向かうと、既に本日の搭乗機、B-HUI号が鎮座しています。実際の所、前日のCX532が香港を出発するまで、本当にB747がやってくるのかドキドキでした。

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というのも、2月初旬からこのB-HUI号が厦門での重整備に入り、運用機数が2機に減少。そこに間の悪いことに別のB747、B-HKT号も何やら不調を来している模様。安定して運用されているのはB-HUJ号1機だけという状態で、2月のB747運用はもうグチャグチャ

結果、それまでの三週間でB747が名古屋まで飛んできたのは1回だけでした。羽田線のように、B747を入れないと大炎上する路線ではないので、割を食うのは仕方がないところです。私が搭乗する便も、B-HUI号が復活しなかったらいよいよマズいな…と思っていたら、搭乗前々日くらいに厦門→香港にフェリーされるのを確認。案の定、整備あがりホヤホヤのB-HUI号がやってきた次第です。

そういえば、この日は乗客が少ないのか、ボーディングブリッジはL2ドアに一本接続されているだけでした。J/PY/Yいずれも軽いロードのようで、そもそも何故この路線に週一便だけジャンボを入れることにしたんだ、とツッコミたくなってきます。

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おかげさまではないですが、普段と少し異なった角度からジャンボを眺め、ご搭乗。なかなか新鮮な絵面です。

そんなこんなでカメラを片手に乗り込むと、テンション高めなフィリピンISMがお出迎え。いわゆるオバPって奴ですね。搭乗券を見せると、

「あ、あなたはお二階ー、階段上がったとこの席よ!!あらやだお客さまー、素敵なカメラ。これは私にプレゼントね。もらっておくわね!!!」

とカメラをぶんどられそうになりました笑

なんともキャセイっぽいオバPで、思わず微笑んでしまいます。とりあえずは軽くいなしつつ、屋根裏部屋へとあがることにします。

アッパーデッキの担当はタイ人金と香港人赤黒。どちらもそつなく仕事をこなしそうな感じのクルーです。

挨拶に来たついでに世間話しつつ、「いやー、ジャンボはやっぱりラブリーっすな!」と振ると「色々でっかいから仕事しやすいけどねー、でもスグぶっ壊れるから困っちゃいますわw」とのこと。確かに、よくぶっ壊れてますね笑

いわゆる棺桶座席に落ち着くと、ほどなくドアクローズ。セントレアはトラフィックも少ないので、スムーズにプッシュバックし、タキシングにうつります。離陸待ちもなく、あっけなくエアボーン。

(もしかすると、これがキャセイB747史上最後のセントレアからの離陸かもなー)と少し感慨に耽ってしまいました。でも、乗客乗員のなかでこんなことを考えていたのは、恐らく私だけでしょう。

キャセイパシフィック航空 B747-400 ビジネスクラスシート

もう老い先短いあの座席です。洋の東西を問わず、マニアには棺桶扱いされているこのシートですが、実は私的にはお気に入りだったりします。

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せまーい感じが妙に落ち着きますし、プリセットされた枕が非常に快適です。リラックスポジション、フルフラットポジションどちらの場合においても、良い具合だと思っています。また、離着陸時のアップライトポジションでここまで快適にうたた寝できる座席もなかなか無いのではないでしょうか。

完全な地雷扱いというか、見事に黒歴史となってしまったオリンパスですが、どこかで再評価の気運が高まることを祈るばかりです。廃車発生品が売られていたら、是非買ってみたいです!アホですね。

機内サービス

手早くキビキビとした、The Cathay Pacific Serviceです。アッパーデッキの客は一桁だったので、本当にクイックに色々でてきます。

あれよあれよという間に前菜が運ばれてきました。

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出たー、エビ2匹。ミニトマト半分とマヨネーズソースに、コーンサラダが添えられています。そこはかとなく学校給食感が漂うこの前菜。妙に紫めいたカイワレ大根が不気味さに拍車をかけています。お味の方はコメントするまでもないでしょう。

絶句級の前菜を適当に片付けた後は、メインコースをば。変に凝ったものを選ぶと地雷を踏みそうだったので、無難そうなビーフステーキにしてみました。

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こ、こちらも…近所のスーパーで一番安いオージービーフを、料理下手な主婦が焼き上げても、さすがにこうはならんだろ!という仕上がりでした。トロピカルな国から農耕用の水牛をわざわざ調達してツブしているのか?と勘ぐってしまいたくなります。

あまり食べていないのですが、なんかお腹がいっぱいになってきたので、その先のチーズやフルーツ、アイスクリームは全てパス。快適なオリンパスでうとうとしつつ『トゥモローランド』を鑑賞しました。

映画が終わると、もう香港も間近。屋根裏部屋の様子を何枚か撮影していると降下が始まり、香港にはほぼ定刻に到着です。

ありがとうB-HUI号、積雲のなかを抜けるときの安定感はB747ならではでした。

まとめ

色々な意味でキャセイらしいフライトでした。クルーはかなりイケイケでしたが、ケータリングが完全なデッドボール。予算をケチっているのがありありとわかる機内食です…。

特典航空券で乗っている分際で何を!と思われるかもしれませんが、あんまりひどいとなおのこと有償発券したくなくなってしまうので、もう少し頑張ってもらいたい所です。先日食べたDo&Coプロデュースの雲呑麺(NemoPもレビューしてます)はなかなか美味しかったので、こういうメニューを路線問わず展開していってもらいたいですね〜。




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